平日のダンス

洗面台の一輪挿し

水を替えて縁

顔を洗ったら

花弁が落ちた


十日十月とおかとつきはまだ早い

名残惜しいだけ


「あなた」に頼ってまだ詩を書く

本当のところはまだ独りのくせに


カーテンを開ける手間なんて

ないんだよ今日は

コーヒーだけの朝ごはんにしよう


時が過ぎて今踊ってるだけ

たった一人で書くこの歌を

いつの間にか夜を看取ってただけ

微睡むように掻く水面で


誰か知らない「君」は

もう消えてくれ


休んだ日の朝に聞くような

居間のテレビを消し歌うような

コーヒーの匂いの中でソファーを飛ぶ


朝日と指先の影も柔らかに

沓脱には私だけの靴

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