透明人間

街を行く人は

仮面をつけてる

誰からも見られぬよう


私はあなたのこと興味ない

どうぞご勝手に

自由に生きたらいいさ


好きな色は黒か灰

消えたい私を塗りつぶしそうだから

大人って何ですか


あの日からずっと

私は透明だ

雨降る公園のライラック

雪夜の霞草


あなたの思う気持ちなんか

これっぽっちもわからない



街を行く人は

色眼鏡越しに

他人を眺めている


私はあなたの「なりたい」を

そのまま受け入れる

自由に生きたらいいさ


あなたの色は何だっけ

消えずに残ったものはありますか

まだ子供でした


今日まできっと

私に色がついてた

全部覆すような花束

花匂う金木犀


涙のせいで前なんか

これっぽっちもわからない



笑顔が見たいよ

あなたの色を見たいよ

踏み出して今

仮面を外して

前を向いて

歩いて 歩いて 外へ

帰り道の道端の花でも見よう

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