真・ククルスドアンの店Ⅰ(エッチな気分になりたい非正規の男たちが、飛ぶ世界)

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 「ククルスドアンの店」?「星野君の二塁打」?FBIと黒の組織の、どちらが?非正規の男たちだけが飛べる、エロエロな世界へ、ようこそ。

 気持ち良くなりそうな旅へ、ようこそ。

 何が良い結果を生むかわからない、やりすぎ、異世界クエスト。

 「何が良い結果を生むか、わからない」

 皆、あやふやなリアルの中で生きている、今!

 不思議な旅がったほうが、良い感じに響くだろう。

 いろいろな、意味で。

 男たちを、気持ち良くいざなう伝説が、ほしいよなあ。

 はじまるよ。

 エッチな、旅が。

 さあ。

 どこかの世界に、ククルスドアンの店という、エッチな店があるという。

 この異世界旅行は、そんな店を探すミステリーでもある。

 あなたは、どうですか?気持ち良く、なりたいですか?

 この名前に、ピンときた方は、ご用心?

 ククルスドアンの世界にいく資格が、充分に、あるのかもしれない!

 「タツミ、ヤマシタ、スナガ、タカクラ、タナカ、クマダ、オオウチヤマ、ヨシユキ、ワカツキ、シンカイ、オカムラ、イケダ…」

 彼らには、共通点があった。

 それは、皆、この世界のウミソラ学習塾というところで働いていた、非正規の講師たちだということだ。

 ウミソラ学習塾は、面白い塾だった。

 面白い問題を考えてテストに出すことで、ちょっとした評判だったからねえ。

 勝ち組世代が生まれ、そんなにがんばらなくても良くなってきていた日本では、何でもあり。

 面白い問題が出されるのも、納得か?

 ウミソラ学習塾で出されたテスト問題は、こんな感じだった。

 「オダマキともいう、コロンバインの花言葉を、知っていますか?」

 「FBIと黒の組織、どちらが好きですか?」

 「その理由も、書いてください」

 面白そうなことは、面白そうだ。

 ただ、さ。

 いやらしいよな。

 「そういう問題って、ちょっとやばいんじゃないのか?」

 ほら。

 生徒のだれかが、問題をスマホで撮ってしまう。

 こっそりと、ネットに投稿。

 拡散されて、うわさに、なってしまった。

 今どき世代の子たちは、強いからねえ。ラスボスクラスの、皇帝。

 「この問題、どう思う?」

 「あ、エロくね?」

 「何で?」

 すぐに、ネットで、評判になってしまった。

 こんな問題も拡散されて、大騒ぎだ。

 「あなたは、ククルスドアンという店を、知っていますか?」

 SNSでその問題が流されるとすぐに、大人もまた、飛びついた。

 「ククルスドアン?」

 「アムロ?」

 「ナミエ?」

 「ちがうんじゃないか?たぶん」

 「教育的に、やばそうじゃないか」

 「なぜ?」

 「ククルスドアンって…」

 「エロい店、なんだろう?」

 「ああ、そういう意味ですか」

 今どき世代の子たちは、何でもすぐに、拡散してしまうからねえ。

 うわさが、うわさを広げ…。

 こうなった。

 「みなさん?高校生に、エッチな店を教えている学習塾があるみたいですよ?」

 「男性講師が出した問題、だそうです」

 「男は、話が長い」

 「リア充なんだよ!」

 悲劇は、終わらない。

 「あの学習塾は、どうかしている。あんな学習塾があっては、ならない」

 誰かが言いだして、ウミソラ学習塾につとめる講師たちは、そこを追われる身となってしまった。

 講師たちは、皆、どこにいってしまったんだ?

 正社員として働いていたわけでもない講師たちは、何も言えない弱い身分。文句も言えずに、散り散りに、散っていくしかなかった講師たち。

 講師の1人、ツバキという男も、へとへとに、疲れていた。

 「うそだろう…?俺、新婚なんだぞ?子どもが生まれる予定だった男の仕事がなくなるって、どういうことだ!」

 ここから、エロエロな話が、本格的にはじまる。






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