第42話 鬼退治ならぬ宇宙海賊退治

 オーガ退治を引き受けた俺は犬、猿、鳥をお供にオーガ退治に依頼された村で聞いた拠点に向かっていた。

 オーガの拠点は海を越えた島にあるらしい。

 漁師から金を払って船を購入し、鬼の拠点を目指した。

 幸い全力で走ってきたので1日も経っていない。

 鳥が先頭で霧の中で音響探知機で岩を避け、猿が舵を切り、犬が舟を漕ぎ俺はいざという時の為に革袋で浮き袋を膨らませた。

 そしてようやくオーガの拠点に着いた。

 舟を引き上げ、草木の中にカモフラージュして隠した。

 結構広い島だ。

 何kmあるか分からない。

 霧が晴れてきたので偵察機には地上から、鳥に上空から偵察して貰う。

 その結果分かったのはオーガは島の頂上付近を根城にしていることが分かった。

 そして、小鬼ゴブリンは100匹程いるのがこれまた分かった。

 正面からの偵察に行くことにした……………………犬、猿、鳥め! 俺を囮にして内部情報を探しやがった。

 だが、オーガが宇宙海賊だと分かったのは運が良い!

 作戦を立てることにした。


「此方で一番小さな鳥が団子を持って偵察機に光学迷彩を張り巡らせて料理中の鍋の中に団子を数個入れる。宇宙海賊用の料理にも団子を粉状にした物を振りかける。皆がトリップしている間に殺るってのはどうだろう?」

「それって鳥の自分だけが働いてませんか?」

「この中で一番小さいんだから仕方が無いだろう。それにお前自身も光学迷彩と消音使えるようだし」

「何故それを知っているんですか!」

「輸送船トランスから送られてくる時にスペックぐらいは把握しているよ」

「それを忘れてた~!」

「それで文句は無いな?」

「文句はありますが聞いてくれそうに無いので良いです」

「それじゃ、実行だ」


 偵察機から送られてきた情報だと食事の用意がされだした所だそうなので鳥に言ってきてもらう事にした。


「鳥、出番だぞ。これが団子だ。くれぐれもバレるなよ」

「世知辛い世の中ですよ~!」


 こうして作戦が実行に移された。

 鳥を除いた俺達は入り口近くで見張っていたら、小鬼ゴブリンが来て見張りの小鬼ゴブリンを呼んでいた。

 偵察機に後を追わせたら、小鬼ゴブリンが皆で食事をする所だった。

 宇宙海賊も豪華な特製の食事を提供されていた。

 その上に団子が振りかけられずに1個丸々皿の上にのっているのを見た。

 食事が始まり、宇宙海賊が団子を食べた所を見た。

 団子は食べてすぐに幻覚等の症状が現れるのでは無く、食べて5分程したら現れてくるので注意が必要だ。

 とりあえず宇宙海賊が団子を飲み込んで食べ終わったのを見計らって、内部に潜入することにした。

 小鬼ゴブリンの様子がおかしくなった頃に俺達は強襲を掛けた!

 宇宙海賊や小鬼ゴブリンは混乱している。

 混乱が納まらない内に呪術の毒蛾を使って毒を空中に撒き、小鬼ゴブリンを殺していく。

 宇宙海賊が此方に迫ってきたので外に逃げる。

 広い場所で宇宙海賊との戦闘が始まった。


「10万馬力のサイボーグの俺に楯突いたこと後悔しやがれ!」


 宇宙海賊がそう叫んだ。

 何だ、10万馬力か。

 魔法の身体強化を覚える前なら脅威だったが、今はそんなもんかですむ。

 魔法の親愛強化を使い、宇宙海賊に向かって行く。



 俺は宇宙海賊だ。名前は偽名が多すぎて本名は忘れちまった。

 この俺に向かってくるチビがいる。

 そのチビに向かって拳を突き出すと面白いように飛んで行きやがった。

 風のように飛んでいくチビを追いかけて追い越し蹴りを入れる。

 今度は逆方向に飛んで行きやがった。

 意識の無いチビの頭を粉砕して、言ってやった。


「俺様に敵うやつなんか居ねぇ! 手めぇの淺知恵を恥じるんだな!」


 そう言って、俺は部下に後処理を任せて食事に戻るのだった。


 ◇


 宇宙海賊のそばまで近寄っても何の反応も無かった。

 殴ってみたが吹っ飛んだだけだった。

 もしかしてと近づいて顔の前で手をひらひらさせてみたが反応が無い。

 あやめの団子が聞いているようだ。

 俺は背後に回り、首の後ろのボタンを押し込んでサイボーグボディから脳ユニットと付属のタンク類を取り出して無力化した。

 後は、食事部屋に残っていてトリップしている小鬼ゴブリンを始末するだけだった。

 かかりの浅かった小鬼ゴブリンを何匹か素手で殺して終わらせた。

 

 合計1時間も掛からずに終了したが、小鬼ゴブリンの死体を1箇所に集めて火葬するのに手間取った。

 呪術の火炎旋風が無ければもっと手間取っていただろう。

 それでも火葬に2時間は掛かったが。

 他の生き残りがいないかどうか調べたら祠があった。

 祠の後ろには洞窟があったので中に入ってみる。


 祠の裏の洞窟の中はヒカリゴケがあって見やすかった。

 ただ、それでも暗いので呪術で光を作り出して当たりを照らした。

 奥に続く道がある。

 暗がりに気を付けながら奥に進む。

 何度曲がったであろうか? 気がつけば際奥に来ていた。

 際奥の壁の周りを見てみるとモノリスのような物があった。

 それに手を触れてみた所、頭の奥が熱くなり知らない言葉が口から飛び出していた。

 何だこれは!

 それを聞いたモノリスが光を放ち、女性のホログラムを映し出し銀河標準語で話しかけてきた。



―――――――――――――――――――――――――――――

次回は話は御座艦を見つけた話だよ。

次回、御座艦です。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る