第26話 虫下し

 翌朝、もう山彦とあやめが起きて居るであろう時間に帰ってきて昨日獲った猪を渡す。

 もちろん、処理済みだ。

 山彦とあやめに会ったら顔が赤かった。

 あれから何家かが桃教に入信したらしい。

 

 山彦とあやめに虫下しを飲んで貰って、トイレはわらを敷いた上でして貰い虫が出てきたら焼却処分にしてもらう事にした。

 虫下しの薬を渡し先程の事を念を押して言っておく。

 それが終わったら、山彦にこの近くの山の麓にある場所は誰の物かと聞く。

 そうすると、そこら辺は山彦達の山の麓だから山彦達の物になるという。

 何処から何処までが山彦達の土地になるのか聞くと、山2つとその麓からこの家がある場所周辺までが山彦達の家になると言う。

 山2つの内、1つは草も生えない禿げ山だが岩のような塩が取れるそうだ。それは山彦達の秘密だそうだ。

 

 何にせよ、これで昨夜調べた温泉がありそうな場所を掘削できる。

 と言っても近くなので湧き出し量が少なければ家を新たに作る事も視野に入れておかないといけない。

 まぁ、近くの場所から山彦達に許可を取り掘削していくか。


 そして山彦達に許可を取り、掘削していく事になった。

 この時活躍するのが自立型万能工兵機械とそのロボット達である。

 最初の地点で掘削機を輸送船トランスから転送して貰い掘削すると、ある程度で冷たい水が出てその後に固い岩盤に当った。

 それを突き破るように掘削していくと湯が沸き出した。

 温度も100度前後で熱湯だが地熱発電には丁度良いとも言える温度だ。

 地熱発電で発電に使用した温泉は入浴に適温となる為に二度美味しい。

 

 掘削機を穴から引き抜くと勢いよくお湯が噴き出してきたので一旦栓をした。

 地熱発電機の資材を輸送船トランスから転送で送って貰い、自立型万能工兵機械とそのロボット達で工事をする。

 工事後のお湯は適温になっているので家の近くだがさらに家に近づけて温泉施設を建てる。

 周囲が湯船になるように段差を付けて高強度コンクリートと大理石で大きな風呂を作り、風呂桶周辺の洗い場には岩を敷き目隠しを作り、湯屋は風呂を中に入れるように作り、ついでに養蚕が可能な様に2階部分や屋根裏部屋に上がれる様に作り、水路なども整備した。

 その際の木材は、山奥の誰も住んでいない所から木材を切り取り、輸送船トランスで木材を加工・乾燥してシロアリ等の虫対策の液体に浸して素材に使った。

 ついでに山奥の木材は大きな社を建てるのに前もっって地球規模で広範囲に葉枯らし天然乾燥するように巨木1万本程切っておく。ついでに間伐材も切っておく。虫が寄せつけないように忌避剤を塗っておく。

 これらは3ヶ月後には水中乾燥する為に大きな湖に沈められて防水された何年も持つ発信器を付けて2年程置かれる。

 その後、1年程山林で再度虫除けの忌避剤を塗り1年程乾燥させる。

 その後、輸送船トランスで人体に影響の無い防虫・防火・防水対策の液体に3ヶ月浸けて又山林で3ヶ月乾燥させる。

 後は木材にしていくだけである。

 風呂から山彦の土地だけを通って川に流れ込むように高強度コンクリート製の水路を作り、途中に水路から引き込むように水路の分岐と2番目の風呂で湯屋を沸き直しできるように作った以外は同じように作った。

 栓を解放してみると湯が吹き上がり、次第に落ち着いたが湯量が多い。仕方なく家の近くに3番目の風呂を作るのと水路をまたもや作って湯屋も同じように作った。

 これで2ヶ月はかかった事になる。

 輸送船トランスに各種機材を転送で戻して、一旦終了した。


 時は戻るが、山彦達が虫下しを飲んだときのことまで遡る。

 くれぐれも外でわらを敷いた上で大をしてその後はわらごと大を燃やす事と言っておいた。

 山彦が先に催してきたようで外に行き、わらを敷いて大をしたら大きな悲鳴が上がった。

 何事かとあやめと一緒に見に行くとわらの上の大に何とも言えない寄生虫の束がこれでもかと居てた。

 あやめは悲鳴を上げて真っ青になりながら逃げていったが、山彦はそうはいかない。

 結局、山彦は涙をこらえながらわらに火を付けて大を燃やした。

 あやめの時は悲鳴が聞こえたが、デリカシーを発揮して見に行かなかった。

 何とかあやめも自分で燃やしたのだろう。煙の匂いがした。

 それ以来、山彦とあやめはトラウマになり大を怖がるようになった。

 まぁ、虫下しの薬は1ヶ月効くのであながち間違っているとも言えないが。


 それ以外では山彦の土地で育成カプセルに命じて農業を始めた。

 と言っても田んぼではなく、畑だが。

 育成カプセルが土を耕して小粒のジャガイモを植えたのだ。

 種芋は小粒でも問題なく大きいジャガイモが出来る。

 ジャガイモは輸送船トランスにあったのを少し拝借した。

 ついでに岩塩を取ってきた。

 あやめに塩が切れかけていたので大層喜ばれた。


 後は、農業をしている時に大きな熊が現れたので育成カプセルがレーザー銃で額を撃ち抜き殺した。

 すぐに首の大動脈の血管を切り血抜きをした。

 山彦を読んで大熊の解体をした。

 山彦がいるので頭の皮も剥ぎ取ることが出来た。

 胆嚢を薬として取っておいて後は山彦に食べられる内臓をより分けて貰い、それ以外を土の中に埋めた。

 後は川の深い所に沈めて肉の熱冷ましだ。

 2時間程経って冷やした肉を取りに川へ行った。

 大熊を引き上げて育成カプセルと山彦で家に持って帰り、育成カプセルと山彦は家で毛皮を剥いだ。

 

 丁度、その日の内に山の民が交易に訪れた。

 丁度良かったので、兎の毛皮10枚に鹿の毛皮1枚と先程の大熊の毛皮1枚を鞣してもらう事にした。

 堅さはと聞かれたので育成カプセルに柔らかくと言っておく様に頼んだ。

 育成カプセルを初めて見た山の民は物の怪かと騒いだが、山彦や村長が神様であると言って何とか宥めた。

 鞣して貰う代わりに此方が提供したのは小粒金一粒だった。

 貰いすぎとの事で、代わりに鉄製品やきのこを貰った。

 毛を残して鞣す期間は約半年程かかるとの事なので、半年後に持ってきてくれる様に頼んだ。

 交易に訪れた山の民を持てなす宴が開かれた。

 育成カプセルと山彦達は熊の肉を持って行き、熊鍋を作って持てなした。

 山の民は村長の家に泊まるそうだ。

 

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次回は時はタローがついに太郎になるよ!

次回、綿と布団です。


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拙い出来ですが旧作も読んで頂ければ幸いです。


能力者が現れたと思ったらダンジョンも出てきました。これは・・・・・・商機ですね!

https://kakuyomu.jp/works/16817330658887843407

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