第15話 1つの仮説と別れ

「え?俺が死んだ時ですか?」


「そう…どうゆう状況だったのか教えて欲しいんだ。何かわかるかもしれないし」


「そうですね…車に乗っていて事故に遭ってそのまま意識が途絶えました」


「君の方は?」


「俺?う〜ん…俺も車で事故って…酒気帯び運転の車と正面衝突しちまって即死かな?」


「そうですか…お二人とも不慮の事故でお亡くなりになったのですね?」


「「ですね〜」」



「なるほど…おそらく寿命より早く亡くなった事により魂がまだ生きたいと願ったのでしょう…その結果生きている時と同じような生活が出来るこの世界に引き寄せられた…と考えられますね」



「確かに…そう考えると辻褄が合ってるような気がしますね」



「ただ貴方達はこの世界の人間では無いので生まれ変わる事が出来るかは分かりません…」



神様の話を聞いていた北川尋と錦野諭は納得した様子だった



「それならそれで仕方ないよな…けっこうここでの生活は楽しんでるから問題ない」



「まぁ諦めずに君達が元の世界で生まれ変われる方法を引き続き探してみるから」



「「ありがとうございます」」



その日の夜



極楽亭にドラゴニール族のライザーの姿があった


いつものように酒の肴をつまみながら日本酒を一口


「もうこの味を味わえなくなるのか…」


そう呟いていた



「お待たせ〜君のお迎えをする為に彼を連れて来たよ」


ライザーの目に飛び込んで来たのは支えて来た国の国王の姿だった



「へ…陛下!」


「ライザー会いたかったよ!」



国王はライザーを抱き寄せると首筋に口付けをした


それは愛する者へする行為だった



ライザーの顔はみるみる赤く染まっていく



「君の姿が消えてからと言うものずっと探していたんだ…見つかって良かった」


「あの…陛下…今のは」



「私が愛するのは君だけだ…一緒にドラゴニール族の死者の町へ行こう」


「はい…」



ライザーは国王に連れられて店を後にした




☆☆☆☆☆☆



「そうなんだ…ライザー良かったわね」


「ああ…そうだな。やっと愛する人と過ごせるんだからな」



「国王様も転生せずにずっと彼女を探していましたから…やっと報われましたね」



「ではライザーを幸せを祈ってかんぱーい!」



「お母様とお父様も2人で仲良くしているし良かったわ」


「そうだね…やっと姉上の幸せそうな顔を見れたよ」



それまでのニルヴァーナはどこか寂しげだったらしくリンスロットが死後の世界に来てからと言うもの生き生きしているそうだ



死後の世界で生き生きし過ぎてるのもどうかと思うのだが…



「今日は特にお酒が美味しいわ〜キタ熱燗もう1本頂戴!」


それを見たダイダロスは顔を青くしていた


「流石に飲み過ぎたよリンダ〜それくらいでやめとけって」



案の定リンダリアはそのまま酔い潰れるのだった

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