第12話 嫌いやぁぁぁぁぁぁーーー


「ハァハァ、気持ち良いーーーっ」


私は自分の欲を抑える事が出来ずに理人くんに裸で馬乗りになっている。


ぐちゃねちゃ…体中、理人くん体液だらけ…これが凄く気持ち良い。


その体液を私は指で救いとり口元に運んだ。


「あっあっ、堪らない」


ぐちゃぐちゃぐちゃ。


理人くんのお腹を裂いて、中からピンク色のはらわたが覗いている。


ピンクでそれが、凄く綺麗で私の気持ちを高揚させる。


「…」


理人くんは何も言わない。


もし、この体液が血液で無ければ、どうしようもない位淫靡で淫乱に見えるかも知れない。


私は男性を知らない。


だが、この快感は凄すぎる…


きっと、男性に抱かれる以上の快感があるに違いないと思う。


体が熱くなり、血液を浴びる度に快楽が増し、体に電流が走ったようになり…気持ち良い。


血液を口に運ぶと、今まで食べたどんな食べ物のよりおいしく感じる。


今迄我慢していた、事を解放したせいか…快感が止まらない。


「ハァハァハァ…駄目、ハァハァ気持ちいいーーっ」


馬乗りになり、腰を動かしながらナイフを突き刺し、あちこち切裂き…?


私…何をしているの?


男女の営み…違う!


何が美味しいの?


理人くんの首を斬りつけて飲んでいる血…血?


何が気持ち良いの?


お腹にナイフを刺している事?


切裂いている事?


何が綺麗なの?


内臓のピンク…


『私って何? 人間? 勇者? 化け物だじゃ無いの?』


理人くんと何をしているの?


そもそも理人くんは…


私の下で、光を失って内臓をぶちまけている。


「あれっ、なにこれ?!」


「…」


血だらけで内臓をはみ出して血だらけの…理人くん。


部屋中血だらけ…私も血だらけ…


「嫌、嫌いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ」


死んでいる理人くんに跨り、私は…私は…


とうとう…人を殺してしまった。


幾ら叫んでも、もうきっと取り返しはつかない。



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