第10話「英雄」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……うっ!!」
夕焼けに包まれる景色、カラスたちが夜の到来をつげる音、頬を撫でる風は少し寒く感じる。
そんな情景に、私は一人で帰路に着く。
さっきまで殴られていたお腹や、蹴られていた足。
痛む体の節々を押さえながら一歩一歩歩みを前に進める。
ここは田舎ということもあり、周りに人はいない。
痛みを必死に堪え、平気な顔をして施設に帰るのは今日に限ったことじゃ無い。
いつからこうなってしまったのか…それは、3ヶ月前のあの日。私が6年生になったばっかりのことだった。
その日も、いつも通り渚沙と一緒に登校した。
そしていつも通り授業を受け、給食を食べ、後少しで帰宅、と言ったところで事件は起きた。
その日の5時間目は図工、粘土で自分の将来の姿を作るという授業内容だった。
私は作品を作り終えた後、他の人たちのを見て回っていた。
その時にたまたま服がある男の子の作品に引っかかってしまい、その子の作品を床に落として壊してしまった。
私は涙ぐみながら必死に謝って、"その場では"許してもらった。
その日、仲直りの証としてその子たちのグループと遊ぶことになったのだ。
でもその内容は遊ぶ、という楽しいものではなかった。
私はただひたすらに殴られ、蹴られ、罵られた。
それが、"全て"の始まりだった。
その日以降、彼らの気まぐれで私は呼び出され、その度に暴力、暴言を振るわれた。
でも私は大人には絶対言わなかった。
それは彼らに口止めされてるのもあるが、何より渚沙、そして幼なじみたちにバレたくなかった。
私なんかが渚沙たちに心配をかけたらいけない。そう自分の心に言い聞かせ必死に我慢してきた。
今日はいつもの3倍激しかった。でも、私は隠し続ける。
そんなくだらないプライドに縋り付かないとやっていけないくらい心身ともに弱っていたのだ。
「ただいま……」
私は施設に帰るとすぐに自分の部屋に向かった。
ここの施設は普通中高生から一人部屋になるところを小学6年生から一人部屋にしてくれる。
いじめられ始めた時期も相まって、私には丁度よかった。
いつも一緒にいる6人とも最近はあまり顔を合わせていない。
「はぁ…明日学校行きたく無いなぁ」
そうしてまた憂鬱な一日の幕が閉じたのだった。
♦︎♢♢♦︎
次の日、またいつもの子たちに呼び出された。
2日連続は今までで一回もなかったから初めてのことだった。
怖くてすくむ足を必死に動かして指定された場所にやってきた。
「よぉ、2日も連続で俺と遊べるのは嬉しいよなぁ?」
「あ…え……」
私は肩をすくめた。
「おいお前!クソ野郎の分際で皇成のこと無視すんのかよ!」
周りにいた一人が私に言葉を投げかけた。
「う…うれしい…です……」
「よかったよ、じゃあ遊ぼうか」
そう言って彼は吐き気のする笑みでこちらに近づいてきた。
「そうそう、俺新しい遊びを覚えたんだよ。だから今日やろうと思ってなあ」
いいよな?と問いかけてくる彼に私はコクコクと頷くことしかできなかった。
すると彼は私を転ばせ、その上から乗っかった。
「おとなしくしとけよ」
そう言った彼の顔はとても小学生には見えないほど恐ろしかった。
そして彼は私のズボンに手を伸ばし、脱がそうとしてきた。
「きゃっ!!」
ばしっ!
「おい、あんま大きな声出すなよ」
私が声を出したことに対して叩いてきた。
私はただ無力に震えることしかできなくなっていた。
その時だった…
「おいてめぇら、なにやってんだよ!!」
彼が私のズボンを完全に下げようとした時、頭のあたりから怒鳴り声が聞こえた。
「あ?」
「おい、今すぐそこを避けろ!」
必死に声の主の方に顔を向けると、そこには
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
こんばんは!音海亜玖愛です!!
3回目ですね笑このあとがきみたいなやつ書くの好きなんですよね。なんか作家っぽいじゃないですか笑
週間ラブコメ最高11位まで行ってほんとに嬉しい限りです!!
実は伸びが最近だんだん緩やかになってきてるのでもっともっと応援してくれたら嬉しいです!
あ、でも嬉しすぎて三点倒立しながら駆け回って歌歌っちゃうかも(???)
とにかく★、フォロー、是非よろしくお願いします!!
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