其の4<魔孔・魔物・冒険者の話>

※作中では特に言及されない事を大雑把に説明します。前日談で解説したものも

含みます。その他、付録として作者の裏話的なのも添えたり。


・魔孔

後述する魔物モンスターの発生源となる瘴気しょうきの噴出孔です。


瘴気が世界を浸食し、回帰不能点を越えて正と邪を反転させ、世界を一変させる事が

魔孔の存在意義です。ただ、そこに意思のようなものが介在しているかは不明です。


魔物モンスターは瘴気を効率的に広げていく為の道具に過ぎません。


瘴気が濃くなり、魔孔が広がれば広がるほどそれに比例して出現する魔物も大きく、強くなっていきます。魔孔が活動するのは日没から夜明けまで。日中は魔物の増殖を休止しますが数こそ増えないだけで勢力維持の為、瘴気は常に噴き出しています。


魔孔は生きとし生けるもの──

特に人間の活動範囲外で発生しやすく、裏を返せば、人間の活動圏内で見かける事はほとんどありません。例えば、人為的に大地を傷つけなどしない限りは。


人類の使命とは、あくまでこの魔孔の撲滅にあります。

魔物モンスター退治は副次的なものです。しかし、おろそかにしてよいものでもありません。


日々の生活とは、人々の営みとは、神々に許された余暇よかに過ぎません。


魔孔を発見し、魔物を退治し、それらを撲滅する冒険者という役割こそ本来、人類に課せられた義務であり、それがままならぬ者達は彼らを後援する事で代替えとするのです。


 これはの一つとしても推奨されています。




*****


「(魔孔です。他の項目で『世界』の初期設定は人体の内部だかがモチーフというか始まりだった的な事を書いたはずですが、魔孔という設定も多分に漏れず。こいつは悪性腫瘍というイメージだったと思います。そこからなんやかんやファンタジー風に改編して今の設定になりました)」


「(魔孔の目的は作者もよく分からんのですが、メタ的に言えば魔物と人間の立場というか役割?を強制的に入れ替える舞台装置みたいなものです。多分)」


「(魔孔の閉じ方。基本的には魔物を一掃した後、瘴気が止まるまで土で埋めていくだけですね。何も難しい事はありません。どんなに大きい魔孔であろうと、諦めずに土で埋めていけば必ず閉じられます。魔孔は土を吐き出す事が出来ないんですよ)」


*****



魔物モンスター

生きとし生けるものの模造品コピーにして、不倶ふぐ戴天たいてん敵性存在エネミーです。

前述の通り、瘴気を効率的に広げていく為の道具として魔孔から生み出されます。


魔孔と同じく日没から夜明けまでの時間、活動的アクティブになります。

日中は精力的に動きませんが、感知範囲に入れば別です。彼らは魔孔の衛兵でもあるのですから。


彼ら魔物モンスター模造品コピーです。過去から現在までかえが魔物として複製されます。動物から魔獣、怪物まで。例え一点物の存在でも、土に還っていれば何十、何百と量産されてしまう可能性があります。


魔物モンスターか、そうでないかは目を見れば判別できます。

魔物には目玉に相当するものがなく、瞳は一様に「伽藍洞がらんどう」です。


魔物は倒すとに戻ります。しかし、その間に生成された不純物──魔石や鉱物などはそのまま残ります。どういう理屈で生成されているかは分かっていませんが、瘴気が影響しているのだろうと予測されていますね。


また、この世界の人間は決して怯む事なく戦い続ける事が出来ます。

老若男女問わず、力の差が歴然だとしても、です。


戦意は衰えません。何故なら、


*****


「(魔物退治を真面目にやろうとすると付き纏ってくる、生態系だの繁殖だのという面倒くさい問題。色々と考えた結果、開き直って分けちまおうと。魔物は放置すると魔孔から無限きする、魔獣と怪物はそれとは別に存在する。よし、これでいこう! と。昔から実験動物みたいなキマイラだの、希少なドラゴンだのがRPGの雑魚敵として多数、フィールドをうろついてるのはあまり納得がいかなかったので……それが自分なりに設定で克服出来たのはよかったと思います)」


*****




・冒険者

過去には探究者シーカー追跡者チェイサー探検家エクスプローラ討伐者スレイヤーなど色々な呼び名があり、得意分野ごとに分業化されていました。個人で勝手に名乗り、金を回しながら押し付け合って好きに生きていたとも言います。


次第に、個人間の連携から複数人を一隊として集団行動するようになり、今日に繋がる冒険者の原型が作られていきました。


そして、集団は何時しか組織となり──現在は中央の大陸に冒険者アドベンチャラー協会ギルドがない国は珍しいくらいにまで大きくなりました。


*****


「(過去の役割分担について。探究者シーカーは魔孔を探す人。追跡者チェイサーは魔孔に潜入して偵察したり、周囲に色々と報告する人。探検家エクスプローラは未踏の地で探す人。討伐者スレイヤーはそのまま魔物殺す人ですね。現在は死語となっているという設定ですが、人が今も名乗っている可能性は否定しないです)」


「(前日譚の方でも少し話題に出しましたが、現在は魔孔の価値が上がって必ずしも発見即破壊、というような措置を取らないです。誰かにバレるまで独占するにせよ、冒険者協会に報告するにせよ、魔孔は大抵保存されます)」


「(……王都など都会や人の多い街に住む人達はそれでもよいですが※(恩恵はあれど危険はない為)、魔孔の近くに住む僻地の人間は溜まったものではありませんよね? 時限爆弾があるようなものですから。水面下で不満が溜まり冒険者を白眼視はくがんしする人も増えています。特に大国の末端にいくほど顕著けんちょですね。もしかすると表立って不満をぶつけてくる人が出てくるかもしれません)」


*****




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る