第44話 ポジション

 みさきさんのポジションって微妙なんだよな。正直に言うべきかな。


【姉ちゃん、みさきさんは俺が不注意で開けてしまった開かずの扉の先のタイムマシーンみたいなので過去に行ってしまった時に助けに来てくれた】


【私がはるとを?】


【そう。それでね、みさきさんがその後遺症で記憶喪失っていうか、記憶障害になって。だから、それを無かったことにしようとるいさんと過去に】


【ちょっとちょっと訳解んない。私が記憶喪失?後遺症?ちょっと整理!!じゃあさ、はるとと私はお互い助け合ってきたってこと?】


【そうなるのかもね】


みさきさん、ふむふむって頷いて、


【だからなのかな?私、はるとのことを大好きなんだってことはさ】


いや、いや、いや、姉でしょ?弟でしょ?


【姉ちゃん、それはおかしいよ。姉弟だよ。さきさんじゃあるまいし】


※ガターン!!※ あっ、コーヒーが…姉ちゃん?


【…はると、何でさきの弟のこと、どうして?】


【だからさ、経験してきたんだって!みんな夢だ夢だって言うから夢なのかなって、そう思ってきちゃったけど】


【さきのこと、あとどこまで知ってる?】


うーん、言っていいのかな?微妙だけど、美脚…


【…美脚】


【それは…悔しいけど、合ってる…それ以外は?】


【弟がいる。事故に合う前か後か解らないけど。とりあえず姉ちゃん座って】


みさきさん、座って、深呼吸を。


【はると、何か怖くなってきた。プロファイリング?】


【俺もびっくりだよ。急にみさきさんが姉ちゃんって。言われたこっちの身にもなってよ】


みさきさん🥲


【はると、私じゃ嫌?姉がいると迷惑?】


そんなことない。戸惑ってだけだよ。


【嫌じゃないよ。綺麗だし…】


 綺麗だとは思うよ。そもそも研究所関係者みんな容姿端麗。全ては所長の好みだけどね。


【何?綺麗だし美脚だし?】


【言ってねーよ!美脚は。姉だろ!一応!遠慮してくれよな】


【てへっ!】


 なんだろうな、みさきさんと話してると落ち着いてくる。不安とか減ってくる。俺のカウンセラーだね。


【姉ちゃん、ありがとう。気持ち落ち着かせてくれて。嬉しいよ】


【な、何、急に!変なこと言わないでよ】


照れてる?さっきとは違うじゃん!よーし!少しかまってやれ。


【素敵な姉ちゃんで自慢だよ】


黙り込んだ。大丈夫?この姉。


【はると、もういいから。恥ずかしいから】


面白ー😆みさきさん。


………………………沈黙………………………


【姉ちゃん?大丈夫?変なこと言ってごめん。ちょっとふざけただけだよ】


【それはもういい!はると、るいって人のことは?】


【るいさんのこと?姉ちゃん知らないんでしょ?ユキさんとかは知ってる?】


【二人とも知らない。それこそ、はるとの夢の人ってことなのかな?】


 うーん、男性陣は研究所が無いからね。未登場って解るけど。るいさんとユキさんは研究所で知り合ったのかな?そんな感じしなかったからその前から友達だと思っていたけど。


【はると、私、暫く休みだから、るいさんって人探さない?はるともこれじゃ仕事行けないでしょ?体調不良ってことで有休使ってさ。ずっと使ってなかったでしょ?りなちゃんの職場にさっさと転職すれば良かったのに。誘われていたんだから】


 ああ、そうか!まだ最初の職場にいるんだね。この世界では。




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