第33話 難易度MAX!!!

 翌日、朝を迎えて、結局るいさんはあれから熟睡して、夕食のブュッフェはお一人様でした。


【えー、キャンセル出来なかったの?損した!】


【起こしましたよ、るいさん何しても起きなかったじゃないですか!!!】


【何しても?】


【それは…言葉のアヤです。揺すって起こそうとしただけです】


【ほんとにそれだけ?】


もう、面倒だなー!


【誓います!それだけです。何もしてないです】


るいさんは、少しふくれっ面で、


【なんだよ、つまんないなー】


なんだよって、こちらのセリフ!


【とりあえず朝食行きましょう。お腹空きましたよね?たくさんたべましょう!】


…………モーニングブレックファスト………


ムニャムニャ、モグモグ、ゴクゴク。


 スゲーな、るいさん。スクランブルエッグ、クロワッサン、ミルクほぼ同時に食ってる。


ブゴッ!ゴホッゴホッ、ゲホッゲホッ!


【大丈夫ですか?】


【ごめん、はると、ヤバかった!】


子供っぽいんだよね。こういうとこ。


…………………………研究所………………………


この時代、既にるいさんは研究所の社員。


接触する可能性があって、ホテルで待機。


 とりあえず、るいさんを見つけないと、どの辺から来るのかな?前にチラッ見たから雰囲気は解る。

後は声かけるタイミングだ。普通にナンパしても駄目って聞いてるから、渡されたこのCDを使う。


何とかして!ってアドバイスしか貰ってない。

しゃあないか、本人も解らないか…


おっ。来たね。


………………………ドキ!!!………………………


これは、冷静でいられないよ。無理だ。


 こんなにも、可愛いとは。前に見た時と雰囲気が少し違うのかな?るいさん、アイドルですか!この人に声かけるなんて…無理だ!


今回はすれ違うだけ、考えてやり直そう。


【あっ、そのアルバム!】


しまった!手に持ったままだ。


【すみません、そのアーティストのファンなんですか!私も大好きで、毎日朝目覚めのときに聞いていますので】


【………】


【ごめんなさい、急に話しかけてしまって】


【………いえ、えっと、はい、聞いてます】


駄目だー、なんでこんなに緊張するんだ!


【もしかして、それ初回限定盤じゃないですか!】


【初回限定盤、そうなんですか?知らなくて買ってしまったので、何も解らずに】


 なんだよ、この魅力は。るいさん、性格知らないとみんな好きになるぞ 。困った、これではまともに話せない。どうしよう。


よし、このチャンス逃すか!


【これ、あげます。良かったら】


るいさんはびっくり(@_@;)


【そんな貴重なアルバム貰えないですよ】


【本当のファンに受け取ってほしいんです。他にもありますから。はい、じゃ!】


ダーシュ!耐えられん。この緊張感。


………………………ホテル………………………


疲れた…数分の出来事だけど、疲れた…


とりあえず部屋に戻ろう。


【ただいま〜】


【はると、早い!どうだった?】


【アルバム渡したよ】


【それだけ?進展は?】


………………………忘れてた!………………………


【すみません!渡しただけです】


 駄目だ!~何にも出来ずに、何やってんだろ…ダメだー!情けない…どうしようもない。












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