波打ち際

おしよせる波も

引く波も

やわらかい

しかし

波は

絶えることなく

どうにもしがたい

力を湛えて

やってくる


それは不条理かもしれず

それは幸せかもしれない

それは残酷なようで

それでいて光のような

波打ち際


靴と靴下を脱ぎ

水に垂らしたインクのように

広がる空の紫を

見上げて歩く


目的はない

ただ

ときに

意味を求めながら

ときに

消え去った

足の形を惜しみながら

歩みを進める


波打ち際を歩く

私の力で

私の足で

私のリズムで

歩く 歩く

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る