第6話
この時代って、外国は何処が来てんだ?
ポルトガル? スペイン? 明? イギリス?
まあ、取引相手はまだいる。もう少し考えよう。
『外国の品物は、堺!』って考え方も良くない。長崎あたりが、栄えているんだよな~。行きたいな~。
とりあえず、出来ることをする。付城を増やして行くことからかな。地上から見ると、石山本願寺は孤立した形だ。
後は、背後の海だよね。
「この後に、毛利水軍との木津川河口で戦があるけど、織田水軍が負けんだよね~」
無駄な敗戦はしたくない。
それと、荒木村重は……、まだ反意を表していないな。
お館様は、大激怒すんだよね。
黒田官兵衛とかも被害を受けるし。
「……急げば、まだ間に合うか? 荒木さんの謀反を止める?」
◇
地上から攻め寄せるけど、ゲリラ戦に巻き込まれる。
沼地だし、隠れる草木も茂っているので、守に堅い地形だな~。
大軍を動かせない。川が邪魔をしているし。
無理に攻めれば、死者多数だ。
「佐久間信盛って、ここで与力を大勢死なせていたはずだ……」
それで、包囲戦にしたと思う。
地上からの力攻めでは、落とせないと判断したんだろうな。
「考えないとな~。期間は、4年かけると怒られるから、3年くらいかな~? 秀吉さんと光秀さんの例もある。まあ、開始時期は、大分前倒ししてんだし、問題ないと思いたいな~」
俺は、兵を引き上げさせた。石山本願寺の方で、勝鬨が上がる……。
まず、秋まで待った。
湿度が下がり、風の強い日を選んだんだ。
「そんじゃ、草木に火を放ってみて。油使っていいんで」
盛大に草原が燃え上がる。
川が邪魔して、燃え広がらないけど、伏兵は逃げて行っているな。川を渡る時に、鉄砲と弓矢で狙い撃ちにする。
煙は、石山本願寺方向に流れて行っている。
「嫌がらせにしかなんないけど、近づけるのは大きいよな~」
窒息はないと思うけど、焦げ臭い匂いが、染みつくと思う。それに煙の中、進軍もないだろうし。
その後、付城を増やして行った。
たまに反撃もあるけど、強固な城が落ちることはない。相手は、武器を持った農民だ。僧兵の数は、そんなに多くない。
石山本願寺周辺の土地というか島を、次々に奪って行く。
「流石です、殿! もう石山本願寺は、目と鼻の先です。何時でも突撃できます!」
「これだけじゃ、ダメなんだよね~。兵を休ませておいてね」
「「「えええ!? ここまで戦果を挙げているのに? なんでそんなに、慎重なんですか?」」」
さて、これで射程距離に入った。だけど、大砲の購入ができていない。
突撃させて、大勢の兵を死なせながら落とすことも可能だ。だけど、下策としか言えない。戦国の世は、まだ続くんだ。
大砲さえ手に入れば、終わりにできんだけど、手に入らない。
「……いっそのこと、作るか?」
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