第18話

 クレアがうちのクラスの一員となってから早いことで既に一週間。

 もうクラスのみんなはクレアに慣れて彼女のことを受け入れており、クレアはクラスにとても馴染んでいた。


「……」


「うにゃー」

 

 クラスの中でクレアに対する最初の態度と今の態度が一番変わったのは間違いなくリリスであろう。

 最初は子供であるクレアに対して一歩引いていたが、今では大事そうにクレアを抱えるまでになっていた。


「まさかあの子があそこまでクレアちゃんにべったりなるとは思わなかったですわ。お姉ちゃんとしてあの子が他人に心を開いてくれて嬉しいですの」


「……」

 

 僕は自分の隣にいるアリスの言葉にそっと視線をそらす。

 

「……なんか取られたみたいで少しショックです」

 

 一番最初にクレアと仲良くなったサーシャが仲睦まじいクレアとリリスを見て口を開く。


「うちの妹がごめんなさいですわ」


「いえ、別にいいですよ。あの二人は見ていて眼福ですし。お二人が幸せそうで私も見ていて嬉しいですよ」


「……なぁ、あのクレアは本当に俺より強いのか?なぁ、戦いを挑んでも良いか?」


「クレアに戦いを挑むならまずは保護者である僕を倒すことだな」


「無理じゃねぇか!?いや、でもワンチャン……」


「人外クラスの魔法の雨を降らしてあげるよ」


「油断なしかよ!?お前も結構過保護だよな……本当に俺より強いなら戦わせてくれてもいいじゃないか」


「クレアより弱い相手とはいえ、あんなに小さい子をたたかわせるわけにはいかないだろう」

 

「……それもそうかぁ」

 

 聞き分けの良いことにバース


「……んで、バース。用事は終わったの?」


「お、おぉ!終わったぞ!またせて悪かったな!」


 ときは放課後。

 既にクラスメートもいない中で僕とサーシャに、アリス、リリスの二人。

 クレアも含めた全員で教室の中で待っていたのは先生の呼び出されていたバースを待つためである。


「良し!なら、図書室の方に行こうか」


「そうですね」


「……おぉ」


「リリス。今日も図書室にいきますわよ!」


「……」


「べんきょ!」

 

 バースの用事が終わったのを確認した僕は全員に向かって告げ、それにみんなが頷いて彼らは立ちあがる。

 

「今日も勉強がんばろうね」

 

 僕は勉強するため、みんなといつものように図書室へと向かうのだった。

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