第四話 悪役(予定)に幼馴染紹介したら修羅場になった



蛇楼を家に泊めて3日が経った

蛇楼はほぼ一日を修練に費やしていてマジですげーなーと思った

俺は生まれてから努力しなくてもチートなので耳ほじりながら見守っていたがな

で、思ったんだよ

俺より強い幼馴染のアイツに紹介したらもっと強くなれるんじゃねぇかと

アイツ、ぼっちなんだよなぁ

俺と同じ不老不死仲間だが永久ぼっちは可哀想じゃんか

俺だって情ってもんがあるんだよ



「蛇楼、お前に紹介したいやつがいるんだ」



修練している蛇楼に声をかける

目的は俺の隣りにいる人物を紹介するためだ



「初めましてだね、お前が紗那の言ってた人族の居候か。ぼくは阿修羅アシュラ。紗那の許婚で一応鬼神の息子だよ。よろしくね」



俺にベタベタとくっつきながら蛇楼に上辺だけの笑みを浮かべる阿修羅

俺の許婚でゲームの裏ボス(予定)だ

最後目の前にいる蛇楼くんを倒し、装備を回収しようとすると出てくるキャラだ

さすが重要キャラだからか顔面偏差値はそこそこ高い

いや、多分主人公より高い

和服を着て儚げな美少年の阿修羅くん

裏ボス登場シーンだとザ・悪役みたいな顔だった阿修羅くんには想像できないほど幼少期の阿修羅くんは印象が違う

強さで言うと俺がチートキャラなら阿修羅はチートオブチートってとこだろう

つまり上には上がいる

阿修羅>俺>悪役>主人公>ヒロイン

これがゲームの強さランキングで言う俺とキャラの立ち位置だ



「...」



俺が一人でウンウンと考えていると蛇楼くんがいつの間にか失神してた

いや、どうした君!?

さっきまで蛇楼くんと話してた阿修羅は失神した蛇楼を放置

俺と目が会いぱぁぁと顔を輝かせ自信満々にいいやがった



「あのね、紗那が浮気するといけないからコレ、壊しといたよ!」



ヤダこの子、顔が殺人鬼の顔してる

そしてその台詞セリフ9歳の子が言わないで欲しい

逆に怖さが引き立つ、鳥肌が立った

てかさ、悪役(予定)殺しちゃいかんだろ

それ将来アンタの仲間になるんだぞ?

将来のお仲間さんに何してくれちゃってんのさ!

少しでも主人公殺せる確率低くなるだろ!



「ん?大丈夫だよ、紗那。君が殺したいほど憎んでる塁ってヤツの方は順調に計画通り進んでいるよ。いつか君が直接殺せるように仕向けてあげるから安心して?こんなヤツに頼らなくていいんだ、だって君にはぼくが居るんだから。君はずっとぼくを見てればいい。ただぼくの傍に――」



「oh」



まさか俺の切り札(阿修羅)がヤンデレ属性持ってるとは...

一人でショックを受けていると視界が反転した



「紗那――!!」



んー、俺どうやら倒れたらしい

倒れてる暇あるんだったら主人公殺してぇ


おのれ主人公おのれ主人公おのれ主人公おのれ主人公おのれ主人公おのれ主人公おのれ主人公おのれ主人公おのれ主人公おのれ主人公おのれ主人公おのれ主人公おのれ主人公おのれ主人公おのれ主人公おのれ主人公おのれ主人公おのれ主人公おのれ主人公おのれ主人公おのれおのれおのれ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る