【GL】きらびやかの煌びやかな人生が約束されてないみたいなので必死に抵抗する話

葉っぱ

第1話 未来ビジョン→煌冷香、58歳。

 私の名前は、西園寺煌冷香。さいおんじ、きらびやかって読むのよ。私はまだ5才だけど、マミーとダディーの英才エイサッサ教育によって頭が良いから、自分の名前を漢字で書けるわ。マミーは大学教授で、ダディーは明治から続く古美術商こびぢゅちゅしょーの社長よ。


 私の夢は、一流の大学を出て、一流の商社に勤め、一流起業の御曹司と結婚することよ。そのために、毎日ピアノのお稽古や英会話、花嫁修業もすでに始めているわ。


 お人形遊びなんてしている暇ないのよ。人生は短いわ。それなのに、、それなのに、私は、、今ウイルスにかかって高熱を出しているの。。


「うーーーん、、うーーーん、、苦しいよぉー!」

「煌ちゃん!しっかりして!」

「マミー、、、ピアノのお稽古が、、」

「それはあとでいいのよ!すぐ治るからね!ああ、かわいそうに!!」

「マミー・・・」


 意識が遠くなって、、少し寝たら治るわきっと、、ああ、頭に浮かぶのは、銀座にしか売っていない高級ソフトクリーム、、美味しそう、、


 ・・・え?鏡月??ウーロン茶のペットボトル、、そして、するめ・・・?


 え、待って。なんで私はお酒の名前を知って、、うん。時間をかけて飲むのはウーロンハイに限る。えええっ!!??なんだこの確証は、、飲んだことないよっ!?5才!私、5才!!


 あ、ああ、、ぐるぐるぐるぐる、、目がまわるぅぅぅーーーー。。。。。



 -----------------------ん、寝てた・・・?


 どのくらい経ったんだろう・・・。いて、いてて。頭が割れそうにイタイ。。


「ああ、そっか。また飲み過ぎたな。。」


 うん。週末だからって飲み過ぎた。だって、1人ぼっちの週末。することなんて、、お酒を飲むしかない。。


 西園寺煌冷香、58歳。


 好きな女の子にはフラれ続け、推しのアイドルを追いかけていたらハマり過ぎて仕事もクビになった。今は週3回のパートでギリギリの生活。。


 そして、パート先で恋をした女の子は、、16才。。


「犯罪じゃないのよ・・・。この想い、、どうしたら消えるのかしら。。」



 ポツ、、ポツ、、

「あ、まただ。雨が降ってきた。天井から雨漏りが、、」


 仕事をクビになって引っ越してきたばかりのボロアパート。


 定年前にクビになったから、、退職金は大幅に減額された。親には縁を切られて連絡が出来ない。。さて、これからどうしたら良いのか・・・。


「せめて、、かわいい恋人と二人でいられたら、もっと頑張れたかもしれない・・・。」



 私のなにがいけなかったのだろう・・・。


 そう。わかっている。


 家庭環境ゆえの、マウント気質。そしてツンデレ。


 ハマると我を忘れる性格だわ。


「やり直せるなら、、やり直したい。。」


 ピカッ!ゴロゴロゴロ・・・ピシャーーーンっ!!


「わぁ!!雷っ!なんて大きな音っ!!ここに落ちたんじゃないか!!??」



 ドドドドドーーーーーンッッッッ!!!!

「わぁーーーー!!!電気消えたぁーーー!!!」




 ----------------------------パチ。


「ん?え?は?」


「煌ちゃんっ!目が覚めたのね?お熱は下がったのに、あなた2日間も起きなかったのよ?」


「マミー?」



 母に抱きしめられ、煌冷香は混乱していた。


 さっきのは、夢?で、でも、、やけにリアルだった。。


 もしかして、私、このまま生きた先は、、あれなの?? 



 続く。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る