時を操る三姉妹のはずが、私だけゴミみたいな能力だった?

タカユキ

第1話結婚の約束

湖の辺りで楽しく遊ぶ、私とアルス。お互い水を掛け合っていた。それは、戯れ合う様に、皆がみて仲睦まじい様子だったろう。


もうアルスは子供なんだから。


何言ってるんだセレナ、僕たちまだ子供だろ?


8歳だぞ。


そうね。でも私はもう大人のつもりよ?


それを聞いてアルスは吹き出した。ウケる。

と拍手をしながら、言った。


なによー、文句あると両手を腰に当てて、私は言った。


いや、確かに君は大人びてる。なら、僕も大人って事になるね。とアルスは急に真剣な顔になって言った。


どうしたの?

と私は聞いた


セレナ僕と結婚しよう。彼から告白された。


何よ、急に?

結婚って私達まだ子供よ?


さっきは大人って言ったくせに…じゃあ婚約だ、婚約しよう。

大人になったら僕たち結婚する。

どうかな?


私は深呼吸をしてから答えた。

もちろんよ。大人になったら結婚します。

と顔が熱くなるのを感じながら言った。


やったー。じゃあ許嫁になるね。

セレナは僕の許嫁。

絶対結婚してね。

とアルスは嬉しそうに言った。


分かりました。でもこれから他に好きな人出来るかもしれないよ?

と私は言った。



そう言った事は言わない約束だよ。ムードってものが…なんで男の子の僕が言うんだ?

普通女の子が言うんじゃ?


ごめん。今のは忘れて。と私は彼に言った。


でも今は男子女子とか関係ないのよ?



ねぇアルス幸せにしてね。


もちろんだよ。絶対セレナのこと幸せにする。


お互いに体を寄せ合い抱きしめた。

キスはまだ駄目よ。と私は牽制した。


アルスは笑って構わないよ。大人になるまでお預けってやつと彼は言った。


それから4年の月日が流れた。



私は今12歳になった。

この国では、この歳になると王室の血を継いでるいる者たちは、不思議な力を使えるようになる。


その不思議な力は繁栄と富をもたらすほどの能力。

私の姉は、2人いるのだけど、長女のマリサは、予知夢を使える。

その便利な能力を買われ、彼女は大国バランティウスに嫁いで、今はその国にいるの。


姉は19歳私とは、7歳離れている。



お父様はそれはもう喜んでいたわ。大国と同盟を結べると。


そして次女のライナは、過去を見る能力。彼女は、1カ月前の出来事は、全て見れる。

けれど1日に数分のみ使える制限があるって言ってた。


次女は14歳私と2歳差。


未来と過去を見る力、2人とも凄い。



そして私は皆に期待されている。今日誕生日、お父様とお母様、そして次女のライナ姉様が祝ってくれた。



どんな能力かな?

ワクワク。と次女が待ちきれないという風に言った。


その歳になると自然にどんな能力が身に付いたか分かるよ。とライナ姉様が教えてくれた。


そして私は今…非常に気まずい。

何故なら私の能力は…手から豆が出せる能力。


まさかこんな事が、ありえない。

能力は、一つの能力しか通常使えないと教わった。


ただ、稀に2つの能力を使える子供がいるとも聞いた。その子供は、奇跡の子と言われている。


そして私のもう一つの能力それは…手からティッシュが出せる能力。


私の能力、手から豆が出せる能力らしいです。と皆に伝えた。


なんと…次女以外はがっかりした様子だ。


そうなの?

ならその豆、土に埋めて育てれば、凄い物が出来るんじゃない?

と次女はそう提案した。


なるほど、と私は言った。ならもう一つの能力も伝えるかな。と心で呟いた。


私もう一つ能力が使えるんです。と元気よく言った。


おおーと3人が声をあげた。



それはそうだよな。奇跡の子だな、良かった。その能力だけじゃな。

きっとその能力は、おまけみたいなもんだな。

と父は言った。


全く勿体ぶって、それで?

どんな能力なんだ?

まて、わしは予想する。未来と過去だから、今度は時間を止める能力とか?


当たりだろ?

凄い能力だ。

と父は微笑みながら言った。



あのですね。それ違いますお父様。

ティッシュを…手から出せる能力です。



何それ?

ゴミみたいな能力ね。

とライナ姉様は呆れる様に言った。


父は呆然としている。


母は、私生活ではティッシュ無料で使えるわね。と力なく言った。



みんなショックを受けている。けど、1番ショックなのは、私だよ?


なんで私だけこんな能力なの…でも、ライナ姉様の言った通りまだ、この豆を出せる能力には希望かある。


土に埋めて育てれば、とてつもなく良い物が出来たりするかも。そうよ、それに賭けよう。


そして一年たち、その豆を埋めた土から木ができ、そこから花が咲いた。


何よこれ?

気味が悪い花…黒く咲いた花には、緑の点々が付いていた。嘴の様な中は、赤かった。


これだけ?

私の能力完全に終わっている。

私は心底がっかりした。


それから3年が経った。

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