魔物合成術師さんと最悪な目覚め
なんとか家に戻りそのままベッドに転がって泥の様に眠った。
次に起きたのは誰かが強くドアを叩く音のせいだった。
……うるせえ。一体誰だろうとドアを開けると鎧の兵士さん達が顔を出した。
バタン
いや待て待て嫌な予感しかしない。何だあれ何!?叩かれているドアを背中で押さえながら取り敢えず
「なぁなんか兵士さん来てるけど心当たりある?」
『いえ……貴方が何かやらかしたんじゃないんですか?』
って言ってもなぁ……昨日のことを思い出してみるか。メイド服着なかっただけで訴えられてたまるか!
後はキノコダンジョン行って……感謝されるかもしれないか変に怖がっただけだな俺が。
そうだよな何も悪い事してないもんな
後は宝箱から魔王の右腕が出てきて?それが勇者の剣のモノマネをして?その剣で賢者を脅した。
……そうだよな悪いことしかしてないな
『大事な事を忘れてますよ?魔王二代目を名乗ったじゃないですか。忘れたんですか?』
忘れたかった。それだけ
『そんな事よりどうします?』
どうしようか……案外話しやすくてフレンドリーでジョークを交えながら楽しい時間を迎えられるかもしれない。
開けてみるか
『まあそうですね。もしかしたらそうなるかもしれませんね、あそうそう念の為マジックボックスに私を入れといてください』
言われた通りしまうとそうなる事を願いながらドアを開けた。
捕まっちゃったよ。やっぱりね、前科のバーゲンセールだもんね手柄早い者勝ちみたいな物だもの。アハハ
『さて……道草食ってないでさっさと私の身体を探して欲しいんですけど』
だって出れないんだもーん。どーすれば良いんですかっ!教えてサタン先生!
『しょうがないですね……もしかして気づいてないんですか?』
何が?
『ポケット探れば答えは出ますよ』
「王様!どう言う事ですか!?」
目が覚めたときには全てが終わっていた。確かに昨日の夜
「賢者よ。甘いんです、注意や警告ではどうにもなりませんいざと言う時の対応が遅れて我が王にもしもの事があったらどうするんですか?」
大臣はそう言った。つまり怪しいから彼は捕まった。
只それだけで……
「賢者になった貴方が気づいてない筈は無いと思いますが一応言っときましょう。魔王の復活はご存じで?」
「それは…まあ」
配信で見たからなんて言えない
「流石ですね。では話を続けましょう、あの男からは邪悪なオーラがすると占い師が言ったのです!邪悪なオーラとはつまり魔王の事でしょうと言う事はあの男は魔王に近い存在にいる!ならばっ存在してはならないのです!」
……昨日の自分を見てる様だ、外面だけで人を理解して結論を急いで出して手段を選ばない。こんな滑稽だったんだな。羞恥心で死にたくなるのを必死に押さえ下を向いていると
「そんな悲しむ事はありませんよ、悪い芽は早めに摘んだ方が良いので摘んだだけです」
「分かりました。コケ…その男は今何処へ?」
「此処の地下牢ですが…何故?」
「気になる事は調べないと気が済まないんです。ボクは……腹黒より、グレーよりも純白が好きなので」
そう言って部屋を出た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます