第4話

 私は濡れた髪のまま深夜の公園に行こうとした。


 外は案の定誰もいない。


 道路を思い切り走り、疲れたら立ち止まって、冷たい空気を肺いっぱいに吸い込んだ。


 ああ、


 これが生きるということなのだ。


 今まで四角い箱に閉じ込められていた人生だったが、今日、初めて自由を手に入れた。


 なんてすばらしいんだろう。


 神様はようやく私を許してくださった。


 私はきっと呪われた存在でそのことを自覚するために神様が試練を与えたのだと思う。


 しかし、今度は決して弁解が許されない罪の世界に私を放り込んだのだ。

 神よ。なぜ私をお造りになられたのでしょうか?

 こんな誰からも必要とされないものを。


 私は心から楽しむことができなかった。

 楽しかったのはほんの一時間くらいだろうか。


 私が◎んだらきっと地獄に行くのだろう。

 生きている地獄とあの世の地獄。

 私はつかの間の幸福を選んでしまった。

 信仰が足りなかったのかもしれない。

 私がもっと全身全霊で帰依していたら奇跡が起きたかもしれないのに。


 私はそれを待つことができなかった。


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