第12話 斎藤先生

 脱ぐのはいいけれど、ここで? するの?

 さすがに亮は躊躇した。まだ生徒たちも先生も学校に残っている。部活はないと言っても下校しなければならないわけじゃない。


「大丈夫よ、誰も来ないから。扉に休館の札かけてあるから」

「窓が」

「わざわざ覗かない限り見えない」

「声が」

「四の五の言うと大声出すよ、襲われたって」


 先生はブラウスのボタンを外し始めた。

「大体、私に声をあげさせられるって思うことが、私は薫ほど甘くはないから」

 亮はあきらめて制服のズボンと一緒にブリーフを下げた。

「へえ、これが薫にあれだけの声を出させてるものなんだ」


 斎藤先生は亮の足元にしゃがむと、両手で亮のものを包んだ。掌が熱い。

 あれ、震えてる、ような気が。


 亮はいきなり斎藤先生を抱きしめるとキスをした。

「きゃっ」

 先生は亮を反射的にという感じで突き飛ばし、その反動で尻もちをついた。


 当然のように脚は大きく開き、大事なところが見える。

 以外なことにそこは薫やなおとは違い、なんというか新鮮な感じがある。

 下半身に流れ込む血流、亮のそこは二回り大きくなった。

「ひっ」

 斎藤先生がひきつったような声を出す。

「そ、それがはいるの」


 亮は斎藤先生の上に覆いかぶさると、いきなりそこに中指を突っ込んだ。

「痛い」

 指は簡単には侵入できない。

「優しくして」


 亮は体を離すと、斎藤先生のスカートをなおし、ブラウスの前を合わせた。

「先生処女でしょ」

「な、違うもん、今はいきなりだったから」

 斎藤先生は真っ赤になった。


「あのね、ちゃんと順番にしないときっと痛いよ。血もいっぱい出るかもしんないよ。ほらこれが入るんだよ」

 斎藤先生は、顔を背けた。横顔が心なしか青ざめている。


 亮はブリーフとズボンを上げた。ワイシャツを直すとソファーに座りなおした。

「斎藤先生」

「友達はしんこって呼ぶ」

「じゃ、しんこ。なんでこんなことしたの」


 完全に先生と生徒の立場が入れ替わっている。

「だって、薫が楽しそうだったもん、私もてたことなくて」

「なんで、しんこって奇麗だと思うよ。彼がいても不思議じゃない」

「薫が、いつもあの子がさらっていくの、あの子とは中学からずっと一緒。今回も私の隣の部屋に来なくても、で、君のこと見せつけるみたいに。だから、とってやろうと思って」


 しんこは下を向いたまま、ぽつりぽつりと話す。

 亮は、しんこの体を優しく抱きしめた、なにかそうせずにはいられなかった。

「しんこが望むなら、SEXしてもいいよ。でも今日ここでじゃなくて。今度の土曜日ちゃんとしたところでしようよ」


 亮は、しんこにキスをした。

「金曜日まで悩んで、それでよかったら、しんこに連れて行ったほしいところがあるんだ、そこでいっぱいしよ」


 たしか土、日は伊都美は家で用事があるって言っていた。日曜日は薫の部屋に行く。土曜日は空いていた。

 ちなみに、なおは最近ちょっと冷たい、なんか旦那さんとイチャイチャしてる。亮としたことで、かえって夫婦仲がよくなっているように見える。

 そんなこともあるのか、大人はよく分からない。

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