少年の声 IF・15枚目の翼

@yano89

小さな翼

第1話

江波

ホントに…


部活やめちゃうの?


青峰

……うん。



(もう、決めた事だ。僕には才能がない…)



(それに…)



(やる理由も…ない…)




(唯一の気がかりといえば…)




(いつも笑うナツ姉が悲しむ事になる事ぐらいかな…ハハ…)





じゃあナツ姉、





また…。





「少年の声IF 15枚目の翼」



ー2014年、9月上旬ー



キーンコーンカーンコーン



青峰

……。


大柄なクラスメイト

ふぅーっ。

やっとテスト終わったー!

って、青峰…。

どうした?


青峰

えっ…?

嫌、特には…。

何でもないよ…。ニコッ


大柄なクラスメイト

おぉーい!!青峰!元気ねーな!

いつもだけど!


青峰

ハハハ…。

そだね。




『僕の名前は「青峰 翼」。15歳で、ここ最近親の転勤の都合で雅(みやび)高校からここ、茅咲(ちさき)高校に転校する事になった』



『僕も最初は転校には随分狼狽えていたけど3ヶ月した今そんなに違和感はなくなってきている…』



『元々転校が1年生の頃という早い段階での転校だったし、それに…』




『僕みたいな存在感のないやつなんて…』




『いてもいなくても変わらないんだから…』




謎の声

『あんたらみたいなやつなんか

いてもいなくても全然…』


『変わらないんだから』



青峰

『最近ずっとあの言葉が脳裏に焼き付いている』



『仕方のない事だけど、いくら何でもあの言い方はひどすぎるんじゃないか…?』



『あの言葉は僕一人に言った訳じゃないにしろ…』



『あれは…』



女の子

あのー…。

青峰君…?

ちょっと…いい?




青峰

わっっ!!




クラスメイト一同

…。


シーン…。


アーマタアオミネ? マーイツモノコトダロ ナンダナンダ…




青峰

あっ、えっと…。

何…?

僕、ボーっとしちゃって…。


女の子

えっとね…。

これ…。

クラスで行う行事のプリントなんだけど…。


青峰

うん…。


女の子

青峰君は最近ここに越して来たばかりでしょ?

だからね…ちょっと説明がいるって先生が…。


青峰

あっ、そうなんだ。

君はえっと…。

(まだ僕…クラスメイトの名前も覚えきれていない)


小坂

あっ、えっとね。

私は小坂。

小坂上利。


青峰

あっ、小坂さん…。

あーっ、そー…だったね!

いい…名前だね。


小坂

えへへ…。

そう?

お母さんに付けてもらったんだー。

人生の坂をおもいっっきり!

のぼりなさい、って。


青峰

そう…なんだ。


小坂

だからわたしー、全力で頑張ってるんだー!


青峰

へぇ…。




小坂

演劇も…。




青峰

演劇!!?




クラスメイト一同

エッナニ…マタアオミネ、ナンダナンダ



小坂

…。



演劇、知ってるの?

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