祝福と呪いの隣り合わせ魔女は桜色

陽控優亜

プロローグ

薄暗い森の中。

そこには大きな屋敷があった。

屋敷の周りには水で囲んであり、まっすぐと橋がある。

橋を渡り終えると夜空から隠すように光っているものがあった。

上から白、紫、ピンクといった花が垂れ下がっておりそのまま進むと、木造の扉が勝手に開く。

そこに立っていたのは……。

「いらっしゃいませ」

深くフードをかぶった背の低い女がだった。

「今宵、何をお求めですか」

口元だけしか見えないはずなのに愛らしく笑ってるように感じる。

なにも知らない、純粋無垢の無邪気な少女のように。

「わ、私は」

いざ、依頼を言おうとするが中々声にならない。

ここにきては、もう後戻りできない。

魔女がもたらすのは祝福なのか。呪いなのか。

それは誰も知らない。

いや、神のみぞ知るのかもしれない。

唾をのみこみ乾いた唇を舐める。

「私の依頼は……」

言い終わると女は口角を上げ、言うのだ。

「お望みの物を用意しましょう。ですが、時間がかかるのでお待ちください。ちょうど、来週の満月にお越しください。その時はお望みの物を渡しましょう」

女はそれだけいうと私にゆっくりとお辞儀した。

「次、会うとき。楽しみにしてください。では、お帰りを」

女の言葉と、共に私は森の入り口に立っていた。

私は逃げるように走って乗ってきた馬車に飛び乗った。

「急いで、出発しろ!!!」

こんな不気味な場所にはいたくない!!!

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