第5話 甘える自分に喝っ!

//SE:衣擦れ(起き上がろうとする主人公)

//ボイス位置:正面(膝枕なので上から覗き込むように話していると想定)

【幼馴染】

「……ああ、無理に起き上がらないで。

 面と向かって喋るのは、その……

 いろいろ気恥ずかしいというか」

 

【幼馴染】

「…………」


【幼馴染】

「……あの~、やはりここから『なし』というルート分岐は……」


【幼馴染】

「あわわ、わかった、わかった、喋る、喋りますから」


【幼馴染】

「ただ、その……あまり期待されても困るというか、

 それほど、大げさな話題というわけじゃないけど……」


【幼馴染】

「えっと、まずはっきりさせておくけど、

 私の様子がおかしかったのは正解……です」


//SE: 『ここ』という台詞で、左耳の傷跡を触る(傷跡があると想定して)

【幼馴染】

「あ、でも、決して具合が悪いとかじゃないよ。

 キミのここを見て……昔を思い出したの」


//演技:傷を触りながら喋る


【幼馴染】

「そう、左耳の傷。小学生の時、私がいじめられたところを

 キミが割って、助けてくれようとして出来たこれ」


【幼馴染】

「ふふ、あの時とまた同じこと言ってる。

 この傷は私のせいじゃないって……」


【幼馴染】

「私を心配させないために言ってくれたんだよね。

 キミの優しさはあの頃から十分伝わってる」


【幼馴染】

「そして、こんな傷を負っても、

 キミは今日まで、ずっと……ずっと私の傍にいてくれた」


【幼馴染】

「それがとてもありがたくて、申し訳なくて、

 キミの優しさに甘え過ぎてたこと、きちんと自覚したんだ」


【幼馴染】

「もう少し私がちゃんとしてれば、

 キミもこんな目に合わなかったのかもって思った」


【幼馴染】

「そうしたら、今みたいにふざけてることが、

 途端に恥ずかしくなってさ……」


//SE:衣擦れ(主人公 頭を振り否定)


【幼馴染】

「もぉ~ずるいな。『私が傍にいてくれたから

 自分も救われたこともある』だなんて、ズルすぎだよ」


【幼馴染】

「そんなこと言われたら、私ダメになっちゃう」


【幼馴染】

「ううん、きっと、ここでありがとうなんて言ったら、

 もっと私を甘やかしてダメにしてくれるのがキミだよね」


【幼馴染】

「でもね、それだとダメなの。

 私も――私がキミを頼るように、私もキミに頼られたい」


//ボイス位置:正面 接近

//演技:ささやき

【幼馴染】

「キミのことが好き……大好きだから、

 キミがあの時守ってくれたように、私もキミを守りたい」


【幼馴染】

「だからけじめとして謝らせて。

 ……今まで迷惑かけてごめんなさい。

 これからは心を入れ替えて、頑張るよ」


【幼馴染】

「今日はいいきっかけだったかも……ありがとうね。

 何年かかっても私、キミの隣として並べるよう頑張るから」


【幼馴染】

「あ、でも返事は待って。今のは決意表明みたいなもの。

 気持ちは伝えるけど、無理に返事はしないで」


【幼馴染】

「それはその時……キミの隣に並べるよう十分だと思ったら」


//ボイス位置:正面 接近

//演技:ささやき

【幼馴染】

「改めて告白してもいい、かな?」


【幼馴染】

「あ、なんで……笑うんだよ。

 こっちは真面目で……ぇ、期待してたよりも可愛らしい?」


【幼馴染】

「も、もぉ~またそういうこというのズルイから!

 というか、だから言ったでしょ、面白くないって」


【幼馴染】

「でも、油断しないでね。私本気だから。

 キミが夢中になるイイ女にすぐになるから」


//ボイス位置:正面 ほぼゼロ距離

//演技:可愛らしくささやき

【幼馴染】

「だから待っててね、私のだーいすきな幼馴染さん♪」

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