彗星 破壊の塵・地球到達・宇宙嵐モンズ星~

京極 道真  

第1話 120年ぶり妖星ケル

朝のニュース。登校前の短い時間。パンをくわえ僕は、テレビの映像に目がいった。『ズッキン』激しい電磁波の電気が僕の全身に走る。

「120年周期の彗星が9月に地球接近。今回は軌道修正をしない限り地球激突は避けられないようです。各国首脳の緊急会議が開かれております。」緊迫するアナウンサーの声が脳に響く。

『ズッキン』電磁波が再び全身に響き、

「もうすぐだ。」僕の脳内に微かな電子音とともに聞こえた。

「ピッピピッピ」タイマーがなる。時間だ。

学校に行く時間だ。今日は期末テストだ。遅刻するわけにはいけない。僕はテレビを消した。カバンをとり「ガチャ。」玄関を出た。2学期の期末。夏休み前の大きなテストだ。通りを左に曲がる。いつものコンビニ。僕は見ないふりをしてカバンで顔を隠しながら歩く。「おーい、バル。」が叫ぶ。同じクラス、陸上部の幼なじみのハルトだ。毎日学校が始まる前の自主トレのランニングだ。必ずコンビニに前で僕を待ち伏せ。あっけなく僕は、ジャージのハルトと合流。「今日もランニングか。今日はテストだぞ。汗だくだぞ。」「まあーな。1日でも休むと足が鈍る。体力には自信がある。問題ない。」僕はツッコミ「ハルト、今日は体力じゃなくて使うのは頭だ。期末テストだぞ。勉強したのか?」ハルトは「まあーなんとか赤点採らなきゃいいかなー。」「ドン」背の高いタクがハルトにタックル。「僕は、赤点自信あるぞー。」「タク、そんなの自慢にならないぞ。」僕は、タクに絡んだ。僕らは、ふざけながら、校門前まで来た。『ズッキン』脳内に電磁波が再び走った。僕は、膝が折れてガクッとふらついた。ハルトが素早く僕の肩をつかむ。「大丈夫か。バル。」ふざけていたタクも僕を覗き込む。僕は「大丈夫だ。」僕は体勢を整えた。「暑さのせいか。」「まあな。もうすぐ夏休みだし、暑い。」僕は、おちゃらけて「それに昨日は、テスト勉強でもやりすぎたせいかもな。なんてわけないか。オンラインゲームで寝不足だ。」「問題ない。大丈夫だ。ありがとう。」ハルトが「おう。」タクも「じゃ、教室に行くか。」「そうだな。今日は期末だ。テスト、テスト。」僕らは教室に着いた。女子達は、ガヤガヤとテスト範囲のノート片手におしゃべりしていた。チラリ僕の好きな女子、黒髪のアンと目が?目が合った気がした。『よし。ラッキー。アン、可愛いな。今日はhappyだー。』ワカが、バタバタと、早足で僕に近づいて来た。彼女は僕のもう1人の幼なじみだ。口調はママみたいで「バル。大丈夫?さっき校門で倒れてなかった?」僕は「倒れてないよ。ふらついた、だけさ。」ワカは続けて「バル、どうせ勉強せずに遅くまでゲームでもしてたんでしょう。寝不足よ。」「はい。その通り。」僕の代わりにハルトが答える。「やっぱりね。」タクが僕の肩に絡む。僕らは、普段と変わらない会話で騒いでいた。始業のチャイムがなる。『ズッキン』僕の脳内にまた電磁波が走る。「ガラッ」教室前のドアが開く。先生ともう1人少年が。教室が一気に静まる。僕らが動けないくらいの美少年だ。先生が「転校生のカワグチ・ギル君だ。」「キャー。」女子達の嬉しそうな声が上がる。先生は「静かに。気持ちは、分かるが、落ち着け。」先生はみんなを落ち着かせた。そして続けて「バル、君と同じで、ギル君のご両親は海外の在住だ。わからないことがあれば、助けてあげるように。」「はい。」僕は答えた。「ギル君、ではみんなに挨拶を」「カワグチ・ギルです。バルとは幼なじみです。みなさんヨロシクお願いします。バル、ヨロシク!」「えっーーーーーーーーーー。」

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