第3話ブレンダ


とあるキャリアウーマンの場合。

私は『ブレンダ』超一流企業に入ってバリバリ働くキャリアウーマンよ。

と言ってもバリバリ働いてるけど男もちゃんと居るわ。

彼も働いてはいるけどまだ私ほどのキャリアは積めてないわね。

でも彼との出会いは私の母親に頼まれて当時彼がいなかった私は仕方なく付き合ってあげたという訳よ。

そんな私。

仕事が出来て異性にもモテまくりの毎日の私。

今日も彼がいるというのに声をかけてくる男がいたの。

「ブレンダ君…。」

私が社内を歩いていると声を掛けてきたのは上司でずっと私と関係を持っている部長。

「あら?部長……いや……ブライアン。」

「今夜…どうかね?いい見世物と食事でも。」

「分かったわ…ところでその見世物って言うのは一体なに?」

「おお!最近流行っている奇妙な石。宝石の何十倍も輝きを増した古代の魔石。見たくはないかね?」

私はこの魔石に興味を示す。

確かに数ヶ月前から世間で話題となっている魔石。

そしてその魔石の展示会があるという話なのだ。

「いいわね!ブライアン!魔石…とても素敵な話だわ!」

「ふふっ!君ならそう言ってくれると思ってはいたよ!」

「ええ。私美しいものは大好きよ。」

部長…いやブライアンは私の身体に手を回してくる。

そして私の腕はブライアンの首にまわる。

「ブライアン。」

「ブレンダ。」

私達は週末また会う約束をする。

彼には奥さんがいる。

私にも一応は形上の彼がいるのだ。

そしてこの日私が家に帰宅。

ゆっくりしていると私のスマホが鳴る。

電話の相手は形上の彼だった。

「彼か…電話出るのも面倒よね……でもブライアンは中々奥さんと別れてくれないし…彼は将来性だけはあるから付き合っているけど。」

私はそう思いながら仕方なく電話をとったの。

「もしもし?どうかしたの?」

「あ!ブレンダかい?実は君にとっておきの話があってさ?」

「とっておき?なぁに?何の話かしら?」

「実はね…僕が前に話した魔石の展示会のチケットが偶然取れちゃってさ?良かったらブレンダと一緒に行けたらなと思ってさ?」

私はその言葉に驚いてしまう。

それはまさに私が部長と約束したイベントだったから。

「そ!そうなのね!凄いわねジョン!でもね…その日はもう先約が入ってて私は行けないわ!本当にごめんなさい。」

「そ…そっかぁ。なら仕方ないや…このチケットは中々取れなくて有名だからせっかくとれたんだけど君が行けないなら僕も他の人に譲る事にするよ!」

「え!ええ!その方がきっと誰か他の人も喜ぶと思うわよ!」

「そうだねブレンダ!僕は元々あまり興味なかったから他の人に譲る事にするよ!」

「わかったわ!ジョン!じゃあそろそろ私はもう寝るわね!」

「ああ!わかったよブレンダ!おやすみ!」

「おやすみなさい!」

ツーツーっと電話を切った音。

「ふぅ~危なかったわ!でも私この素敵な石はやっぱりどうしてもあの人と見たいの!噂ではこの石を一緒に見たら永遠の愛を約束される、とか。」

こうして私はその後は何事もなくブライアンとのデート当日を迎える。

「やぁ!ブレンダ!おはよう!」

「おはよう!ブライアン!」

私達は待ち合わせると早速イベントへと向かう。

この街の外れにある昔からある博物館。

ここに今話題の古代石の魔石が展示してあるの。

人混みの中私達も後に続き魔石を見る為に並んでいる。

「ブレンダ?今日は夜まで大丈夫なんだろ?」

「ええ…もちろんよブライアン。」

私の答えにブライアンもニヤリと微笑む。

魔石を見た後の私達のコースはゆっくりと食事を楽しみそして。

私もこの幸せを一番楽しみに来ているの。

こうして私達の順番は回ってくる。

私達の目に映るその赤い宝石『魔石』。

赤くキラキラと光るその石はまさに魔法にでもかかったようにその美しさについつい惹き込まれる。

「本当に…噂以上に綺麗ね。」

「ああ!ブレンダの美しさには劣るがね。」

「ブライアン。」

こうして私達は魔石の魅力を堪能しそして。

私はその後気がつくと病院のベッドの上にいたの。

(え?ここは!?)

私は声も出せずそして身体も動かせない。

(どうして?私病院のベッドの上に!?)

私が呆気にとられていると急に身体中に激しい痛みを感じる。

「んんっ!!んんーーーーーーーーーーっ!!」

あまりにも身体の激しい痛みに目から涙が溢れ出す!!

声も出せない私。

視界も鈍くうっすら見えるのは病室のライトだ。

すると声が聞こえてくる。

「うわぁぁぁっ!!ブレンダ!!どうして?どうして!?」

その声は聞き覚えのある声。

付き合っていた彼の声。

(そういやブライアンは!?彼はどうなったの!?)

私はブライアンの事が気になって仕方ない。

「くっ!?それにしても一緒にいたブレンダの上司のブライアンか…あいつブレンダと浮気をしてただと!?くそっ!」

(なんだ。バレちゃったんだ。でも彼は?)

「あいつ…死んでからボロボロとブレンダとの関係の話が出てきたからな!あいつはざまぁみろだ!!」

「でも…ブレンダ……僕は君を愛してたよ…う……うわぁぁぁーーーーーーーーーっ!!!!」

(彼…死んじゃったんだ……私も…もうきっとダメね…。)

私はそのまま目から涙が流れそして。

(私を本当に愛してくれていたのねジョン…これは…ジョンを苦しめてきた罰かしら…生まれ変わったら…今度は貴方を愛せるかな…ジョン。)

私は魔石の光を浴びとあるウィルスに感染して亡くなったみたい。

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