〝あの日〟からずっと。

二宮みぃ。

〝遠い〟存在。



「月森くぅ〜ん!一緒に帰ろ!」




授業が終わった放課後。




甘ったるい声で名前を呼ばれる1人の男の子。




名前は、月森都輝(つきもりつき)くん。




優しさの塊みたいな性格に、

おまけに顔面偏差値も文句なし。




まさに、モテる要素が、

ギュッと詰め込まれたような男の子。




ちなみに............ピーマンが嫌い。




たぶん、これは誰も知らないと思う。




クラスメイトたちには言ってないけど、

私、広瀬めぐむ(ひろせめぐむ)は。




都輝くんと幼なじみだから............っ。




昔はよく話してたし、

子供のころは、いつも遊んでたけど。




今では、私は目立たない存在で。




都輝くんは、クラスの中心的存在。




だから、都輝くんはもう〝遠い〟存在。




でも、今日は............私の...............




そこまで考えたところで。




「あー、ごめん。郁。

悪いけど、今日は、こいつと帰るから」




その声を共に、

──────グイッ!と腕を引っ張られた。

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