第2話 店舗

店舗の発送カウンターに向かう。


すみません。店舗発送お願いします。

「はい、アプリバーコードと品物お願いします。」


ポーションとアプリのバーコードを提示する。


「はい。鑑定。問題ないですね。ではお預かりします」


個人販売したものと発送するものに差がないか店員が確認し購入者に届く。

販売者、購入者ともに詐欺やトラブルには合いたくないのだ。


買取お願いします。


G,Fランクのポーションをカウンターに並べる。

余った素材で作った低ランクポーションは個人販売ではなく店に買取してもらっている。低ランクは市場に多く出ており単価が安い。

あと、個人名義で低ランクを売りたくなかった。


「鑑定。Fが一本、Gが三本ですね。買取価格二千五百円になります。どうなさいますか?」


売ります。


ありがたいことに参考買取価格の倍で買取ってもらえる。買取られたポーションが店に並んだのは見たことがないので販売価格は分からないが高く売れているのだろう。


一通り鑑定しながら店を周ったあとショーケースに入った魔石と回復草一株を注文する。


「G魔石十個。F魔石一個。回復草一株。合計二十二萬になります。」


アプリ払いで。領収書お願いします。


確定申告のために経費はしっかり保管しなくてはならない。去年から始めてやったが、かなり大変だった。

錬金術師は小学生からしているが、高校生になり販売できるようになった。

義務教育期間中は冒険ショップなどの販売買取は禁止されている。

アルバイトができないのと同じだ。

地方では少ないが冒険者禁止の学校もある。




ダンジョンショップは基本24時間365日営業

冒険者がいつ来ていつ出てきても良いようにだ。

基本の買取販売、店舗発送業務

やることは多く夜勤もあるが給与は悪くないし、変な客は即出禁にしているのでストレスも少ない。なによりファンタジーな職場で楽しいし。


大浦くんは月に一回か二回来て高ランクを発送し低ランクを買取にだしている。重要顧客の一人だ。


低ランクポーションなのに、副作用がなく期限も長いので高価買取している。

店頭売りせず別のルートで販売しているらしい。


錬金術師は一部例外を除き、あまり儲からず人気がない。

魔石や素材を取ってくる子たちに比べたら小遣い稼ぎレベルだ。リスクはある分、ダンジョンでモンスターを相手にするか採取している方が儲かるだ。


それでも危険がないので錬金術師は学生や主婦、会社員が一度は通るジョブだ。

ジョブ定着率は悪い。素材の値段の高さ、失敗率、品質、価格競争についていけず儲けが出ず辞める人が多いジョブなんだ。

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