No03『虫を取る時によく見かけるお姉さんの謎』 marica

※講評内で作品の内容に触れております。

 致命的なネタバレにはならないように考慮していますが、

 一部・ミステリ的なギミックなどの種を割ることがあります。

 ご了承ください。

◇◇◇

https://kakuyomu.jp/works/16817330661240493109



今回の自主企画では、レギュレーションとして文字数は最大一万文字としています。

それは虫取りするガキをニコニコ眺めるお姉さんを書くのに最適な文字数が一万文字前後だから……ではなく、自主企画を告知する際に「全作を主催者が公表する」と宣言してしまったためです。


十万文字以上の作品が何十作も投稿された場合、読了だけでも大作業になってしまう――つまるところ、読む側の都合によって設けられた制約というわけです。


故に、今回の企画では最小文字数は定めておりません。

各々が最適と感じた文字数に作品をシュリンクする自由が書き手には与えられいるのです。


そして、本作はなんと922文字。

1000文字にも満たない文字数となっています。


果たしてこの文字数で「お姉さんはなぜ虫ガキをニコニコ眺めているのか」を書ききることができるのでしょうか?


……結論として、その試みは成功しています。


あえて分類するなら「可変動機式ニコ姉」とでも呼ぶべきでしょうか。

このお姉さんにとって、重要なのはガキであり、ガキが虫取りをすることではありません。

虫取り行為に対するお姉さんの比重の軽さこそが、文字数に反映されていると見ていいでしょう。


そう、お姉さんがニコニコ眺める理由は、眺めている相手がガキだからなのです――たまたま、虫取りをしていただけ。


この女郎蜘蛛の手の内から、逃れる手段はないのでしょうね。

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