スポクラの悠馬くんは、モテない

武州青嵐(さくら青嵐)

第1話 スポーツクラスのわたしたち

 スポクラの悠馬君はモテない。


 強化部のサッカー部所属ではあるけれど、身長がわたしと変わらないぐらいしかない。163㎝ちょっとで、体重は51キロ。


 同級生男子からは「女子か」と笑われ、先輩たちからは完全に小学生扱い。


 かくいうわたし、羽生智花もモテない。


 強化部の剣道部所属なんだけど、剣道部、というだけでみんな目が泳ぐ。


 なにしろ、顧問が訴訟にあっているから。


 理由は体罰とセクハラ。


 そんなわけで、剣道部は現在活動停止中で、なんなら部員はわたしひとり。


 悠馬君のポジションもなかなかに熾烈なところらしく、「このままでは高校三年間、ずっとおれの守備位置は応援席……っ」と、必死。


 わたしだって「こんな状態で、いつになったら公式試合に出られるの……っ」と頭を抱えている。


 誠志学園高等部人間形成科スポーツクラスに所属し、結果を残せそうにないわたしたちは。


 日直があたりがちで。

 かつ。

 モテない。


 これは、そんなわたしと悠馬君のお話。


※ こちらの作品は1話の短編連作となります

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