プロローグ 『彼女』はそう心に誓った(3)

これで最後の連日更新します。大変申し訳ございません。

この話以降は不定期ですが、よろしくお願いします。



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「ふぅ……」

と彼女は中庭のベンチに座るとその近く木陰のあるベンチに座っている受李がいた。少し遠いが目立つ茶髪ミディアムはキラキラなびかせていた。

__本当に物静かな女の子だな……

と彼女が思うと

「静かな人だと思うですね?」

「え」

とその隣にはなんと務さんがいたのだ。彼女は驚き、思わず立ってしまい少し距離を置いてしまった。

「いえいえ、気にせずに座ってもよろしいですよ」

と務さんが気遣っているのにも関わらず彼女はただその場で立って、首をぶんぶんと横に激しく振った。そして、彼女はど、どうすれば……とウロウロと迷っていると務さんが

「本当に君は面白い女の子だな」

と笑っていた。


「……」

「……」

しばらくしてやっと座った彼女。それからもしばらくしてずっとゲームをしてる受李を見つめると

「彼女……受李を見てどう思いますか?」

と務さんが言ってきた。彼女はそのままに言った方がいいと思って

「す……すごく静かな子ですね……」

「そうでしょう。今どきの子供なら結構活発的なのに……」

と務さんは俯いてしまった。もしかして返答が間違っている?かと彼女は困惑したが

「大丈夫ですよ。その答えで合ってます」

と優しい声で言った。あれ?なんか……変と彼女は気づいていた。

「どうぞ、座ってください。ずっと立つのはさぞ大変でしょう?」

とベンチを空かせた。彼女は流れるままに座った。座った途端に彼女はある事を思い出した。

「そういえば、私、雇われの身ですよね。なんか、命令とかありますか?鞭とかうつんですか?」

「え?」

「あ……えっと、漫画で見てて……雇われの身はめちゃくちゃ酷いことをするとかないとか……」

そう彼女が言いたかったのは雇われの身の時の扱い。雇われの身はよく鞭で叩いたり、酷い陰口をするなどと雇われの身ら酷い扱いする漫画で影響したのだ。

「……」

「ど、どうしましたか……」

「あ、そうか……これは……えっと……それは次第かもしれません」

「あの子…?」

と言った途端、彼女ははっとし、受李の方を見た。

「まさか…」

「そうです…あなたにはこの子を任せていただきます」

「で、でも……なんで……」

「この子にさせないようにするためです」

「!」

とまさか、復讐の言葉が聞くなんておもいもしなかった。さらに務さんはこう続けた。

「僕はこの子に虐待する寸前でしたのです」と。

「虐待……」

彼女はそのまま繰り返した。そうこの世界には親が子を暴力を振るうことを虐待と言う。最近それが原因で子供が死ぬ事件があとを絶たないと野田さんから聞いた。でも、務さんはその虐待する寸前だ。つまり何にも悪くないのだ。

「なんで……」

「この子は僕と似ているからです」

「え……似ている?」

「そう環境も何もかも」

とすこし寂しそうな声で続けた。

「実は僕……親に復讐したのです」

「え」

「兄に激愛してて、その分、何かをしたら殴られ蹴られたとまるで虐待みたいなことをされられてきました」

「……」

「結局中学の時に親に捨られて、その時にはもう、僕はあいつら復讐すると誓ったのです」

「……そうなんですか」

……まるで私だ。と彼女は思った。婚約者も親があの少女によって奪われて……それに気づかないあいつらに復讐するためにこの世界で強くなってきたのだ。

「それの影響かそんな僕にも頼りがいのある仲間と、そのリーダーにも恵まれていて、本当に強くなって良かったと思いました」

「……」

まるで私がもう一人いるみたいだ。と彼女が感じると

「あの……聞いてもいいでしょうか」

「はい」

「あなたはミス・JACK事件を知っているでしょうか」

「あ……確か、異世界人流出時代、最初で最大の事件とかは聞いています……まさか、」

「そう、調べてみたら、僕の親だったのです」

と彼はこう語った。このミス・JACK事件は全て両親と兄が作った計画であったこと。そのせい、仲間を傷つく事になったことを彼は言ったのだった。

「だから、僕はあいつらに復讐するために仲間に別れを告げようとしたんだ……けど」

「けど?」

「仲間は僕の復讐をやめようとしたんだ」

「え?」

「君もそう思うよね「復讐は良くない。そうすると自分が傷ついてしまう」「俺たちは確かにあいつらを許すわけにはいかない。それはお前と同じ気持ちだ」とかわけのわからないことをいったんだ。何も分からないくせにって」

「………」

「そして、一番傷ついてしまったリーダーがこう言ったんだ。「俺はお前が一番傷つくのは嫌だ。それが俺が一番傷つく理由だ」とついでに「だから、俺が助けてみせる」とかリーダーらしいことを言ってきたんだ」

「え……」

「それからのリーダーの快進撃はやばかった。親を凸して一発殴ったりとか、親がさらにヤバい計画を止めてみたりとかで……本当あのバカがやる様なことをしやがったんだぞ」

「えぇ……」

彼女は引いた。けど、務さんの顔は何故か笑顔でした。すると務さんはこう続けた。

「そして、目的が消えてどこへ向かおうかと思った時にリーダーが「一緒に行こう」と手を出してくれたんだ。その時、憑かれているのが消えたせいか僕は初めて人前で泣いてしまったんだ。僕はなんてことをしてしまったんだって」

と彼の笑顔が消えて少し真剣な表情になっていた。

「それから僕は改めて思った。復讐は良くないと復讐をしたら誰かが巻き込まれるってだから、、虐待されている受李を助けようとしたんだ」

「え……今、なんて……」

一瞬のことで気づかなかった。彼女はまたもや困惑すると

「実は僕の娘である受李は虐待にあっているんだ」

「え……」

まさか……まさかとは思っているが、受李ちゃんも……彼女はさらに心配した。心配する彼女の顔を見て、務さんはこう続けた。

「僕は……とある一家の婿として迎え入れて苗字も変えた。双子の娘もいて僕はとても満足はしてるんだ。だけど……」

「……」

「あいつらは能力がない受李を嫌っていて、すごく暴力を振るっていたんだ」

「つ、妻さんは……」

「もちろんあいつら側の方だ。これが当たり前のように受李に暴力振るっていた。無力な僕は許せなかった。そして、それを止めようとした僕も許せなかった」

「だから……受李ちゃんを私に」

と彼女が聞くと務さんは頷き

「君なら受李を任せられると思ってたんだけど……君はどうする?」

「え……」

と彼女はすこし目を見開くと務さんは

「娘を……受李を助けてくれませんか?それがと受李にとっての最後の親孝行だから」

と務さんはそう言ったが彼女はさらに不安が募った。本当に私でいいのだろうか私も務さんと同じ復讐を持っているのに……そんな私の心配を察したのか務さんはこう言った。

「今じゃなくてもいいんだ。少しずつでいい。そしたら、いつかは受李も君のことを家族だと思っているから」

「でも、なんで……」

こう聞くと務さんはまるでもう一人の自分を見ているかのような顔で見ていた。そして、彼女の頭を撫でてはにかんでこう言った。

「なんか……君は僕と似ているからかな……?なんだかんだ言ってそのほうが受李が幸せになれるし、君もそう思って欲しいから僕は受李を君に預けるよ」

その言葉を聞いた途端に彼女の頬から涙が流れていた。そして、彼女はこう綴った。

「じ……実は私もあなたと同じように復讐をすると心に誓ったのです」

「うん……」

「本当は復讐は良くないんじゃないんかと思っていたんです」

「そうなんだ……」

「でも……私はやります。受李ちゃんを」

「え……てことは」

と彼女は涙を拭い、赤い目尻のまま、務さんの方に向けて言った。

「私、受李ちゃんを守ります。それが今の私のやることだと」

それは彼女は復讐という呪縛をといたのほぼ同じのこと言っていたのです。すると、務さんは微笑み

「そっか……じゃあ、今の君なら受李を守れるな」

「も、もしかして…私が復讐をすると分かってたんですか!?」

と彼女は問うと務さんは頭を少し掻き

「そう……かもしれないな。多分、あのバカに、勘というのが役に立ったのかなって…」

と言い。務さんは後ろを向いて施設の外に出ていった。


それは夜のことである。彼女はあの少女 受李のことを考えながら、夕飯であるカレーライスを食べていると

「前、いいかな?」

と野田さんがカレーライスを持ってきた。彼女はこくりと頷いた。そして、野田さんは前に座り、カレーライスを食べた。すると、食べてたスプーンを置き野田さんが

「そういえば、あの後、愛川さんに会った?」

「はい。契約者が彼ではなくてその娘さんとは聞きました」

「やっぱり話してたんだ。僕は正直驚いてやめた方がいいと思うけど、君はどうする?」

「やります」

「まさかの即答!?……ま、いいけど」

と彼女はある事を決めて野田さんに話しかけた。

「あ、あの野田さん!」

「は、はい!?」

野田さんが驚いているのもしらずに彼女はこう言った。それは野田さんも察したのか、それをOKしたのだった。


数日のことである。受李は父さんの言う通りにある施設の前で待っていた。大きい荷物を持って。すると

「君、受李ちゃん……だよな?」

と受李は声がした方に振り向くとそこには新緑のショートヘアのお姉さんがいたのだった。

「うん。あなたが私の雇われさん?」

「雇われさんって失礼な……まぁそんな感じだけど。ところでそれは」

と彼女が受李が持っている大きい荷物を指した。

「父さんもお別れしたの。だから、その荷物」

「そっか……」

「けどね。父さんは私を助けてくれたの。けど、私のせいで父さんは……」

と受李が自分が悪いと言う途端に彼女が突然受李が頭を撫でた。

「ぅぅぅ……なんで?」

「自分のせいとか言うな。そう言ったら父さんが泣くってば……」

「そうなの?」

「それ、買ったの父さんだろ?」

「う、うん……」

と受李は父さんが買ってくれた欲しかったゲーム機を大事に持っていた。

「だから、私のせいだとか言うなよ……」

「うん……」

と受李はこくりと頷いた。彼女はよしと言い

「じゃあ、近くに車が待ってそこに行こう」

と言い彼女は受李の大きい荷物を軽く持って車の方に向かおうとしたら。

「……どうした?」

彼女はその場で立っている受李を見つめると受李が

「ねぇ……あなた、お名前なんて言うの?」

と大きな声で言った。そして、彼女と受李の間に朝日が降りかかってくる時に彼女は

「矢凪。矢凪 蓮佳だ」

と名乗り、ニカッと笑った。

「矢凪…蓮佳……」

と受李はこういい彼女 矢凪の方に近づいてきた。

「ていうか何で私の荷物もってんの」

「今更、気づくの遅くね?」

「まぁ、いいけど。ちょうど重くてめんどくさかったのよ」

「いいのかよ…」

と受李はゲーム機を起動した。そして、歩きながらゲームをする。

「コラコラ、歩きながらゲームするんじゃない」

「今日のノルマがある。だから、やめられん」

「だとしても、そんなことをしちゃダメだよ。ゲームをしすぎたら、頭を小さくなるよ受李ちゃん」

「ちゃん付けすんな。せめて、呼び捨てにして」

「へいへい」

とまるでいつものような会話をしているかのように彼女らは車に向かった。

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