2023/08/05 Tシャツは白か黒。それから仁義なき江田。

昔はなんとなく白いTシャツが苦手でした。着こなせない気がして。最近は良く着てます。きっかけは好きなラッパーがインライで通販番組をしていて(意味不明ですよね、しかしそうとしか説明できない)、その番組のイメージTシャツを販売していたことでした。「デザインすごい好みやけど白だけか〜」と思いながら眺めていた私に、というわけではないのでしょうが、「●オンスなのでそうそう透けない」「し、破れない」「白をめちゃくちゃ着倒してビンテージっぽくするのもええよね」という宣伝文句の──特に最後の部分が気に入って買いました。着倒してビンテージ。私の中にはなかった発想です。Tシャツを購入して2年ほどが経ちます。めっちゃ着てますが、この程度のくたくた具合ではビンテージには程遠いな…と思ってニヤニヤしてます。


同じようなタイミングで、もう一枚白いTシャツを買いました。こちらはハードコアチョコレートさん(知らない人は検索してください〜)の仁義なき戦い完結篇の松方弘樹さんがどーんとプリントされてるTシャツです。どういう理由で購入に至ったのかは実はもう忘れました。購入したタイミングで松方さんは既に亡くなられていたと思いますが、それが理由ではなかった気がしています。これもまためちゃくちゃ着てます。やはりビンテージには程遠いです。白いTシャツは着こなせないし透ける、という勝手な思い込みを、この2枚が払拭してくれた気がしています。今後も好きなデザインの白いTシャツがあったら臆せず買っていきたいと思っています。


それ以外は大体黒です。上に何を羽織っても、羽織らなくても問題なく行動できるので…。夏場に着用できる他の色の服をあまり持っていないなと薄々は気付いています。いつかどうにかなるでしょう。


ところで『仁義なき戦い』はお好きですか? 私は大好きです。これを言うと『仁義なき戦い』が好きだから創作反社をやっていると勘違いされることが多いのですが、そうではありません。創作反社を始めてかなり経ってから『仁義なき戦い』に触れました。幸いにも出演者がご存命の時期にハマることができたため、トークショーなどでお話を聞くこともできました。良い思い出です。『仁義なき戦い』を筆頭に東映実録路線が大変好きなのですが、その話を始めると地獄のように長くなるので今は仁義のことだけを書きます。


『仁義なき戦い』がお好きな方、いちばん好みのヤクザは誰ですか? やっぱり松永(成田三樹夫さん)ですか? それとも広能?(菅原文太さん) 広島死闘篇でギラギラしてた大友勝利くん(千葉真一さん)とか、山中正治(北大路欣也さん)が好きという方もいらっしゃるかもしれません。私はシリーズ内でも『〜広島死闘篇』を見ると一週間ぐらい本気で落ち込んで何も手に付かなくなるので、オールナイトの際にスクリーンで見たのと、Blu-rayを箱で購入した際に見て以降三度目の鑑賞ができずにいます。本当に悲しくなる作品なので。


さて、私の推しは『広島死闘篇』に軽く顔を出し、次作の『代理戦争』から最終作の『完結篇』まで粘りまくった江田という人物です。山城新伍さんが演じています。江田を見るまで、私の中の山城新伍さんはあまり良い印象がある俳優ではありませんでした。一応美男俳優としてデビューして…その後はギャグ路線…下ネタが多い…あとご本人の生前のご乱行が薄っすら耳に入っていたせいもあります。


初めて江田に出会ったのは、仁義なきオールナイトの時でした。一作目を見て「めちゃめちゃおもろいな!」と思った私は、いつかスクリーンで見る機会もあるだろうという漠然とした予想の下で二作目以降を見ずに生活していたのでした。そうして、その漠然とした予想は当たり、池袋新文芸坐さんでオールナイトを見る日がやって来ました。全五作。一睡もせずに駆け抜けました。映画館を出る頃には一緒に見た友人は「梅宮辰夫さんがヤバすぎる」、私は「江田と結婚したい…」としか言わない危険な人間と化していました。


江田は、観客全員を虜にするようなキャラクターではないと思います。適度に卑怯で適度に侠客、適度にすけべで適度に硬派。菅原文太さん扮する主人公・広能が『仁義』というそこにはない概念に振り回されているとするならば、江田は『仁義』などこの世にはないことを承知の上で都合の良い時だけ「仁義に殉ずる侠客」ぶるずるい男です。

そこが最高にいいなと思いました。作中人物が次から次へと無意味に死んでいくシリーズの中で、最後まで生き延びた人間は数えるほどしかいません。江田はそのひとりです(2作目からの登場ではありますが)(広能以外に1作目からラストまで生き延びた人間が数名いるんですが、ネタバレになるので内緒です、びっくりするぜ)。ずるく、姑息に、しかし時折渋く残酷で暴力的にあの世界をサバイブする江田。大好きになりました。ついでに山城新伍さんのこともめちゃくちゃ好きになり、それまで敬遠していた作品も好意的に見ることができるようになりました。人間って分かりません。


気がどうかしているようなこの夏に相応しい狂騒を描いた映画、『仁義なき戦い』、未見の方も既に見ているよという方もいかがですか。私はこの文章を書いていたら無性に江田に会いたくなってきたのでブルレ箱を開けようと思います。


そんな感じです。小説は書いてません。

また明日。

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