倭人王 豊玉之男(とよたまのお) 秋津洲篇~千年の目覚め
秋津廣行(あきつひろゆき)
秋津洲(あきつしま)の危機
大歳の千年祭
第1話 千年の神子(みこ)
「いよいよ、千年の
千年前、北の国からやってきたヒカネは、
ところが、戦いの最中に現れた
以後、ヒカネは、高天原を開き
その約束の日である九百九十六年目の大祭が、すぐそこに迫っていた。
高天原の当主、
千年ぶりの大祭である。祭主は、
天空の変化を読み取るのは、天つ神である
「
千年祭を前にして、近頃は日没の後、西の空には
だが次の瞬間、金拆神は、目に映った
「神の子、誕生のお知らせに御座います。すでに
「おお、そうであったな。いにしえ千年の約束が、『間もなく果たされる。』と思えばつい力が入り、気がせいてしまった。」
「千年前に結ばれた、ヒカネの君と母神香具姫(ははかみかぐひめ)との約束を果たすこととは、最後の大歳の祈りを何事も無く終えることであります。心静かに、その時をお迎え頂きますように。」
― もしや、千年の祈りの前に、
その夜の内に
世継ぎの神子の身体は、余りにも小さく未熟の子であった。産声もなく、手足の動きも弱々しかった。まるで死産であるかのごとくに、産屋は緊迫の空気に包まれた。
その願いが届いたのであろうか、かすかに気道が開いたのであろう。
朝日が昇り始めた時であった。
「ぉぎゃぁ、ぉぎゃぁ・・・」
元気とは言えないが、まさしく
「新たな
「おめでとうございます。新たな神子の誕生に御座います。」
側に仕えていた
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