始業式・・・4

ななちゃんが自分じぶんせきかっていくとわたしは一人ひとりになった。

まわりを見渡みわたすと結城ゆうき君がいた。


いま全部ぜんぶ見られてたんだ。

結城ゆうき君とう。

あ。と思った次の瞬間しゅんかんには結城ゆうき君がほか友達ともだちほういた。


へんな子だって思われたのかもっ?


わたしは結城君と一瞬いっしゅん目があった幸せと「もしかしたらへんな子と思われたかもしれない」恥ずかしさであたまをグルグルさせながらあさ支度したくをする。


結城ゆうき君のせきはわたしのななうしろ。

こんなにちかくのせきじつはじめてだ。


ランドセルを片付けるために席を立つ。

うしろを向くと結城ゆうき君が見える。

わたしはこころの中で神様かみさまつぶやく。

神様かみさま!ありがとうございます!

おなじクラスで、しかもこんなにせきちかい。

うれしすぎるぅ!


わたしはスキップしそうないきおいで教室の後ろに移動する。

わたしがこころの中でガッツポーズをしているとななちゃんがランドセルを片付けてやってきた。

わたしのよこにならんで不満ふまんげにつぶやく。

「クラスえのときっておなじクラスだとうれしいけど、美羽みわ絶対ぜったいせきはなれるじゃない。いやだなぁ」

ななちゃんの苗字みょうじは「秋本あきもと」だから大体だいたい左端ひだりはし一番いちばんまえだ。

クラス替えのある4月はあいうえおじゅんに席が決まっている。

わたしは「前田まえだ」、どちらかと言うと教室きょうしつ右側みぎがわになることが多い。

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