ラピスラズリの物語

 このままではうまくいかないと直感が告げている。方法に再考の余地あり、だ。

 私は大きく息を吐き出す。集中力が切れてしまった。もう一度はじめからやり直すか、今日はここで切り上げるか迷って、後者を選択した。

 仕切り直すとしよう。


***


 研究室に配属が決まったのは潜在能力が認められたからだ。それは今の私の実力ではないということ。私の存在を教授に認めてもらうためにも、ここが踏ん張りどきであることは百も承知だ。

 英知の塊とも評される教授の下で学べるのは運がよかった。この恋心さえ意識せずにいられたら、なお良かったのに。そばで学べる喜びだけで満足できればよかったのに。

 胸が苦しい。

 彼から受け取った護符を握り締めて、明日こそはこの研究を先に進めようと誓うのだった。



《終わり》


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ラピスラズリの宝石言葉

【直感】【潜在能力】【英知】【護符】

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