ミライノハナシ

「体格、評価C。瞬発力、評価D。持久力、評価C——」

 AIの淡々とした音声が、私の鼓膜を叩きつける。

「論理的思考力、評価A。数学的思考力、評価A——」

 隣には、歓喜に咽ぶ両親の姿。「これでうちの会社も安泰だ」と抱き合っている。

「絶対音感、評価B。表現力、評価B——」

 私の未来は、決まってしまった。

「アナタノ適正職業ハ、研究者、経営者、コンサルタント——」

 家業なんて継ぎたくない。化粧品なんて、興味ないもの。


 本当は、音楽がやりたかった——。

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