かすれて

ふるえた

寂しい声で

あなたは

ずっと

囁いてる。

雪が降りそうな

冷たい空気を

るるるる…

と震わして

何かじっと待って

いる様子で

私を

見つめてる。


※※※※


その目は不思議に濡れて光っている。


※※※※


誰かに呼ばれたような気がして振り返ったら誰もいない。それでも確かに呼ばれたという感覚が残っている時があります。


呼んだのは誰だったのか、走り去っていってしまったのか、隠れているのか、それとも私の記憶なのか。わかっているのは、振り返るといなくなるということだけです。


誰もいない場所をしばらく眺めて、また前に向き直るときの心もとなさは、あるくうちに薄らいでいきます。


そしてまた忘れた頃に、繰り返すのです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る