第10話

たまにテレビで多重人格障害の方が出演して自分の体験談を語っていらっしゃる時がありますよね?

私が観た方は他の人格達に名前がありました。同じ障害の方々も人格達に名前がある場合があるでしょう。人格達それぞれが自分達の名前を名乗るんだと思うのですが私の場合は他の人格達に名前はありません。みんな『私』で統一してます。


何故なら人格達が多すぎるから。


まだ人格達が5〜6人の頃はどうやら名前があったらしいのですが今はありません。


それは何故か?


名前があった時人格達が自分の名前以外の名前で呼ばれた時無反応だったからです。自分が呼ばれたと思ってないので反応しなかった。


無反応の私に対して周りの人達は怒ったり悲しんだり気味悪がったりしました。


その後の後始末みたいなものがかなり面倒くさかったです。いちいち説明しないといけなかったりしたので余計に差別や偏見、心無い言葉に晒されるハメになったのですよ。


そうなってくると私も他の人格達も学びます。

「名乗らない方が良いな」と。


まぁそれ以上に人格達が増えすぎたというのが一番なんですけど…。


多すぎていちいち名乗ってる場合じゃない。


私も周りの人達も混乱する。第一他の人格達は『私』を真似て日常生活を送っているので一人称は「私」ですね。


しかしそれは基本的にです。人格達は年齢も性別も性格だって違うわけですから人格達全員が「私」と名乗るのは不可能です。口調だって変わりますしね。


ちなみに名乗っていた頃の人格達はもういません。

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