第5話 七魔将侵攻

 領主→家令→ギルド経由で俺の名誉回復が行われ、勤務表通りの報酬も支払われ、ギルドマスターとナベワタの口座から全額没収されて、それでも足りなかったから領主が色付けて支払ってくれた模様。


 そちらが優先されたので、暗殺ギルドが集金できなくなり、最前線での給料から引くはずが、何をどう言いくるめたのか、娑婆で稼がせた方が早いとなって、奴らが始末もされずに出て来たらしい。


 手打ちした内容どうするんだよ、暗殺ギルドも集金集団に成り果てて、杜撰な仕事するようになったよなあ?


 プライドとか仕事への誠実さはどこにやったんだ?



 また奴らが暗殺者を送り込んで来るか、夜中でもガンガンドア叩いて俺に魔物を倒させに来る。


 悪夢の始まりだ。


 いや、悪夢でも良いから眠らせてくれ。



 奴隷商会


 俺は奴隷を買いに来ていた。


 綺麗なパイオツカイデーの姉ちゃんや、ロリょぅじょエルフ欠損系を買って怪我を治してやり、キャッキャウフフするためではなく、俺の安眠を守るためにドアで対応できる人物だ。


 大抵の依頼を断り「もうギルドは辞めた」「お前とは何の関係も無い」と言い渡せる人物だ。


「お客様、今ですとこちらがオススメです」


 ロリょぅじょとかパッツンパッツンのダークエルフとか勧められたが、眠れなくなるとか「眠らせないよ」の系統じゃなくて、眠りを守ってくれる人物。


 領主から金は貰ったが、そんな高いのは買えない。


 元凄腕の冒険者で、仲間を魔窟に置き去りにして逃げた奴とか、背中から切りつけて汚く罵ってから、装備奪って殺したような奴は気分が悪いので買わない。


「残りは…… 主人殺しの執事ぐらいでさあ」


 前の主人はクソ貴族で偉そうにしていて、毎度乗馬用鞭で殴られて反論不可。


 知り合いのメイドとかも毎晩レイプされて、子供ができたら放逐して自殺させられ、お腹の子供も一緒に葬り去られたような呪われた家で、耐えられなくなったご老人が、家への最後のご奉仕で主人を殺してしまったそうだ。


「ああ、その人を貰おう」


 危険すぎる犯罪奴隷を安く買ってみるテスト。


 俺もそんな腐った奴なら始末してくれても良い。まあ眠らせてくれるなら殺されてもいい。



 牢屋からモノクルとか似合いそうな、執事系の人物が髭ボーボーで、ボロい奴隷服のまま出され、支払いを済ませて奴隷契約も済ませて契約完了。


「ご主人様、私のような者、とてもお役に立つとは思えませぬ」


「いや、いいんだ、俺の眠りを守ってくれるだけで十分。狭い家だけど二人で寝る程度はある」


「はあ? まさかこの熟れた肉体目当てで、毎夜ジャニさんみたいにホモセックスを求められて「you来ちゃいなよ」なご奉仕を求められているのではっ?」


「いやいやいや、それは無い。金があったらパッツンパッツンのダークエルフとか買ってたんだけど、俺の口座の残りでは買えなかったんだ」


 うん、このおっさんも転生組決定。それもピンポイントに日本から。


「左様でしたか、せめて精一杯ご奉仕させて頂きます」


「はあ」


 セリフが怪しかったが、俺のケツが掘られる心配はなさそうだ。一応奴隷契約で主人を傷付けるなと書かれた条項が存在する。


 と言う訳で「マーシ、オナホになれ」と言われて、ガンガンに掘られる心配はしていない。でいいのか?


 いや、傷付けるためではなく、快楽堕ちさせられて、感度3000倍でヒーヒー言わされるの場合は良いのか?



 家まで連れ帰って、帰りに身の回りの物を買って、男物だから下着の選別に困ったりもせず、綺麗な服を買って「こんな綺麗な服」とか驚かれもせず、メス奴隷に甘い物買って喜ばれるとかも無く、酒やたばこをやるのかどうか聞いて、銘柄も合わせてパイプも買ったぐらいで済んだ。


 いや、やっぱり無理してでも、パッツンパッツンのダークエルフ美女とか買った方が良かっただろうか?


 顔だけ我慢して体だけ良いのを選ぶか、体はデブに近い恵体でも、乳だけデカイのを選ぶべきだったか?


 これから無職なんだから、貯金はあっても節約しなければならない。



 それでもベッドが一個必要になったから、俺が眠るために良いのを買って、マットレスとかもスプリングの奴で低反発を買って、低反発枕とかも買い込んでみて、自分が眠れる努力と投資をしてみた。


「え~と、俺は働き過ぎて自律神経失調症らしくて、昼間の雑踏の音が聞こえる時間帯にちょっと眠れるぐらいなんですよ。ですから昼間眠らせて貰って、夜の対応はできるだけ俺がやりますけど、夜中にガンガンドア叩きに来るアタマオカシイのを排除して頂きたいんです」


「はい、左様ですか」


 こうして爺さんとの共同生活が始まった。


「部屋はここ使って下さい」


 物置にしてた所を片付けて、今まで使っていた安いギシギシ鳴るベッドと布団を搬入。


 普通に寝るには困らないはずだが、寝返り一発打って「ギシ」と鳴るだけで目が覚めてしまう重症患者には使えない。


 クローゼットとかも今まで使っていたのを搬入。執事服は必要なかったが、普段着を渡して下着もそろえたので搬入。


 最後に煙草とか酒も放り込んで、好みの本とか自分だけの空間を作って貰った。



 二階建てとか贅沢な作りではなかったが、普通のそこそこの家。


 日本みたいな亜熱帯じゃなかったので、冬の薪と暖炉は必要だが冷房はいらない所。


 アホウ共に家を特定されているので、まず引っ越しからすれば良かったかも知れない。


 一人で住むにしても家賃は大したことなくて、銀級冒険者なら楽々支払える金額。


 これ以上眠れないようなら引っ越しも考えよう。


「朝食は食べられない方ですので用意しないでも結構です。寝ていたら起こさないでください。昼食と夕食は自分の分を用意するついでで良かったら用意して貰えると助かります」


「承りました」


 あとは経済観念が貴族基準だったので当初困ったが、普通の冒険者だと解説すると理解してくれて、自分の生活水準も下げてくれた。



 前世でのツイートで「ファブリーズを撒いたら霊障が取り除ける」と聞いたことがあるので、カビやウィルスなどを駆除するのに、ファブリーズ的な物を作って駆除。


 アルコール洗浄とか匂い取りなので、肝臓に蓄積して体に悪いとも言われるが、「びっくりするほどユートピアッ」な感じで除霊。


 あれは全裸になってベッドに飛び乗ったり下りたりしなければならない、一人でないと無理だな。


 新品の寝具も配達され、ギシギシ言わない金属製の物にして、マットレスも寝やすい硬度の物に。低反発枕が効くのか不明だが、猫を使った宣伝では寝やすいそうなので買ってみた。


 結局「新しいベッドが配達されないのでベッドが一つしかなく、譲り合った結果、爺さんと一緒に顔赤らめながら背中向けあって同じベッドで寝る」というオチは無かったので助かった。



「眠れない……」


 執事の爺さんの気配がして眠れない、本末転倒だ。


 死ぬのを覚悟して、人生設計を大幅に書き換え、短期決戦で太く短く生きることにして、ダークエルフの姉ちゃん買った方が良かったか?


 あのバインバインの乳揉んで吸って、乳枕にして抱き締めて寝かせて貰えたら眠れたかもしれない。


 避妊とか一切しないで中に大量にブチ撒けてやって、終わってもビチビチ言わせて、尻のラインに破瓜の血と精〇垂れ流させて、子作り種付けプレス。


 だいしゅきホールドか、泣き叫んで嫌がっている所をレイポして腹ボテレイプ目プレイ。


 夢が広がリングで妄想していると、何故か眠れた。


 寝具が良かったのか、ファブリーズが良かったのか、執事の爺さんがいてくれているので、ドア叩かれる心配しないで済んだのか、珍しく奇跡的に眠れた。



 でも夜中にドアガンガン叩かれて目が覚めた。先に引っ越しするべきだった。


「オイッ! 起きろっ! 七魔将が来たっ! 起きるんだっ!」


 頭おかしいギルドマスターが、元の職場に復帰したのか、また夜中にドアガンガン叩いて、ドッカンドッカン蹴って鍵壊そうとしている。


 新人事発足して、賄賂漬けだった収支も改善して、部下の手柄盗み放題だったのをトヨタ的にカイゼンして、新しくやり直すんじゃなかったのか?


「どなたですかな? こんな夜中に? 主人は就寝中です、お帰り下さい」


 執事さんグッジョブ、その馬鹿はどんな用事言っても受けなくていいから。


「マーシさんタスケテッ! 魔物にタベラレチャウっ!」


 俺に魅了使ってコキ使ってた受付嬢まで復帰。お前肉便器にされて、最前線で前も後ろもガッバガバになるまで、冒険者全員に使い込まれてたんじゃないのかよ?


 もうオムツ無いと生活できないだろう? ギルドマスターの愛人だったから、どうにか助けてもらったのか?


「お帰り下さい、主人は就寝中です」


「起きろっ! 俺の養分になれっ! お前が倒したら俺の手柄になるんだよっ!」


 ナベワタの奴まで復帰。ウン、俺は呪われてて、眠れないで夜中にドアガンガン叩かれ続ける運命なんだ。


「告っ! 本日0200、街に七魔将の軍団が侵攻。現在城外で攻防中であるが、領主様よりの依頼で討伐指示が出たっ! 銀等級冒険者は必ず参加しなければならないっ!」


 アタマオカシイ衛兵隊長か騎士団長も、ドアの前で血管切れそうな大声で叫ぶ。


「ですから、主人は冒険者をやめております、参加の義務などありませんっ!」


「引っ立て~~~~いっ!」


 今夜はアタマオカシイ軍団総出演だ、どうしても俺を眠らせないつもりらしい。


「おいっ! 俺の娘がまた熱出したんだっ! 俺の娘をお前の治療呪文で助けろっ!」


 悪夢かと思って頬を抓ってみたが痛い。気が狂ったのかも知れないが、狂ってるのは世界の方だ。



「眠れない……」


 アホウ共が大量にやって来て、全員でドアをガンガン叩き続け、口々に俺に出動させようとしている。


「ジジイ・アクセル・ダンシングッ!」


 執事の爺さんが出撃して、糸使い系だったのか紙使い系だったのか、七色の糸で奴らを巻き取り、見開きで「バーーン!」と成るような感じで全員を捕らえた。


「ああ、助かりました、俺が拘束する前に巻き取って貰えたみたいで」


「お役に立てず申し訳ありません、折角お休みの所を起こしてしまいました」


「後は俺がやっときますんで、休んでてください」


「はい、失礼します」


 引き際まで心得ていてくれるようで助かった。この人では七魔将とやらは倒せない。


「アルティメット・サンダーボルトⅡ・アベンジャーッ!」


 何処かのハンスウルリッヒルーデル神が設計に参加したと言われる、A10みたいなフィニッシュブローを叩き込んでやり、全員を処した。


 ちなみにサンダーボルトの初代はP-47戦闘爆撃機だ。


 プライベートライアンのエンディング前でも、本来敵軍からヤーボと呼ばれるP-47が爆撃してしかるべきだが、現存している機体はP-51の方が圧倒的に多いので、二機もレンタルして飛ばすにはP-51しか無かった模様。



「眠れない……」


 七魔将とやらの軍団が、門を破って街に侵入した模様。


『ヘッヘッヘ、上手そうな姉ちゃんまでいるじゃないか、散々オモチャにした後に食ってやる』


「ああ、好きにしてくれ、俺に魅了掛け続けた売女だ。元々肉便器勤務もしてガバガバだけど、犯し尽くしてやってゴミか使用済みのティッシュにして捨ててくれ」


 オーク軍団に囲まれて、ガッタガッタ震えている受付嬢。


「ま…… マーシさん、助けて」


 まだ自分が憎しみの対象じゃなくて、助けて貰える対象だと思い込んでいるようだ。


『ヘヘ、タップリ楽しませてやるぜ』


 人間とは比べ物にならない巨根を前後にブチ込まれ、ヒーヒーギャーギャーホザいている。いい気味だ。


 ガバガバになってたから、オークのブツでもスムースインしたらしい。



「た、助けて」


 ナベワタの奴まで助けて貰えるつもりでいる。男好きなゲイオークに取っ捕まり、即座に三本攻め。


「う~~~~~っ! う~~~~~~っ!」


 順番にタップリミルク飲ませて貰って、例え母親が見ても誰だか区別できなくなってるナベワタ。


 ギルドマスターも衛兵も、全員捕まって犯されて、ウーウームームー言わされている。


 もうウ〇コできないねえ、で喉破られたら食事とかもできないだろうな。

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