「黒い物体」

     私はいつものように朝起きた。

     カーテンを開けた。

     なにかが家を覆っている。

     とても中が暗い。

     私は声をかけた。

     おーい。そこにいるの、だあれ。

     その黒いヤツは私の方をぎょろりと見つめた。

     目がどんどんどんどん近づいてくる。

     そいつは言った。

     カコニ、オマエガ、イジメタ、ミンナ。

     そいつは続けて言った。

     オマエ、ゼッタイ、ユルサナイ。

     私はそいつの一部になってしまった。

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