#Ten.歴史の変化とWANTED(前編)

「遥溜?」

「...っ」

「遥溜さん⁉」

攻撃を目で追えなかった。

攻撃なのか、何かの遠距離武器、またはこの施設のトラップ、それまたは...

重游。

一番の可能性、それはこいつの力だ。

「四十物谷、遥溜を頼む。」

「もちろん」

「コマンドTH ガッド」

「んん...」

「遥溜さん、よかった。」

「完全に完治できていない。体力は乏しいはずだ。」

「わかった」

「もういいか~?佐。おせえんだよ」

「ああ、準備OKだ。」

「フッ。」

一瞬にして、目の前から重游は消えた。

「⁉」

無理だ。音速を目で追うことができるほどの佐、それを上回ってきたこいつ、肌に触れる風の感覚からしてスピードは...

「一秒10000キロか...」

すると、後ろから銃の感覚。

もうおそい。重游は銃弾を蹴り、それを佐の背中に18弾。

「あっけないな」

「お前は知っているんだろ。」

「フッ、そりゃ生きているわな」

「コマンドS クイック」

「重游、お前重力好きか?」

「フッ、どういう質問だ、まるで俺が重力を使っているみたいな発言じゃないか」

「そういうことだ。」

また消えた、そんなのはただの騙しに過ぎない。

「重力に逆らってみようか。」

「人間は重力の下で生きている!何が逆らうだ。馬鹿め。」

コマンドとクラックを混ぜれば最強になれるだろう。

「コマンドT ブレイズ、コマンドW ウェーブ。『クラック』」

自分の右幅半分に水の波、左側半分にマグマ、二つを体の中心を縦軸に当分し、隣接しているマグマと、水が触れ合う場所を佐は走った。

「ずっとイメージしながら、コマンドを使うのはとてもじゃないが難しいな。」

「フッ、これを食らっとけ」

重游の技、急な吹っ飛びと急にかかる重力、そのうえで重力を活用した謎の銃弾を放った。

「銃は食らわなくとも、重力ってのは面倒なものだな。」

水とマグマさえあれば『ダスト』を使わずに石を生み出すことができるうえ、消えずにその場に一生物体として残るので、T、Wは組み合わせ次第で何でもできるのかもしれない。

水とマグマで作り出した石を使い、佐は建物の内側を覆うようにどんどん石で飲み込んでいった。

「ほ、ほぼ室内だな...」

「そうだな、まあこれが狙いなんだが。」

「力比べと行こうか。」

「来いよ。」

2人は激突した。

佐と重游を囲んでいたとても分厚い石はすさまじい力で破壊、地面に石のがれきが崩れ落ちていった。

「佐は?」

「わかりませんただ...」

この絵面は見たことあるので大丈夫かもデスネ。」

「四十物谷さん...メタいね...」

「ちょっとは心配してくれてもいいじゃんか?」

「ですよね、生きてますよね。」

傷もなく、服が破けた様子もなく、あったのは満足そうな小さな笑顔だった。

「進むぞ。」


「オイオイ、重游よ~大丈夫なんか~?」

「うん...あの人たち、行っちゃうよ?」

「追うか。」

「了解!」


「もう少しで大将のもとへ行けるぞ。」

「あと少し、ですね。」

「でも...」

「ああ、わかってる。追手か。」

「あとから来られても困るし...」

「やりますか。」

その場で止まった。

追手の二人は気づかれていると確信、そのまま対面といった。

「あらら~ばれてたし」

「そりゃばれるでしょ。」

「できるだけ平和に終わりたい。」

「戦闘は避けられませんか?」

「無理な頼みだ。」

「ですよね...」

「面倒。」

一瞬で佐は追手の男性の方を殴った。一瞬だった。

「グハァ...ッ」

「え⁉」

「お前も死ぬぞ。」

「様子から見るに戦闘は避けたい。そのように見える。」

「べ、別にそんなんじゃないよ!ただ...」

「四十物谷、頼んでいいか。」

「わかりました。」

「せ、戦闘⁉」

「いいえ、個人的には戦いはしたくありません。ただあなたが望むのであれば、お手合わせします。」

「...お手合わせ願います...」

「わかりました。」

「皇 凮然参ります!」

凮然は刀を取った。悠も刀を取った。

お互い地面を蹴り、刀と刀がぶつかった。

大きな部屋には金属音が連発し響いた。

「遥溜、あの二人どう思う。」

「どうって、それは戦闘面?」

「まあ、いろいろだ。」

「ふ~ん?」


大体20分がたったころ

佐、遥溜は少し寝ていた。

「...タフですね」

「...そっちも」

「決着としましょう。」

「そうだね」

悠は刀を構えた。

「『雫』」

「な⁉」

刀は透明になった。氷柱を水がゆっくりと流れるようにゆっくりの動き。

刀を見切るのはたやすい。ただすごくゆっくりな分ダメージは相当高い。

触れなくても凮然はわかっていた。あのゆっくりな動きは完全にあてるつもりはない。そう感じた。

「できれば降参をしてほしい」

「...!」

悠はゆっくりなものなので、背後に回って切られたり、交わされたりするのかと。

凮然は刀で悠の刀を受けた。

衝撃波が全身に伝わる瞬間だった。

悠は自分の刀と、凮然の刀を自分の手で腹にしようと

衝撃は向きを変え、悠の体にすべて入った。

「⁉なぜ」

「うッ...凮然さんが、過去の自分の大切な人に似ていた。

その人は自分が行おうとしていたことは代償があった。それを自分で受けるつもりだった。

あの時自分で真っ先にその代償を受ける判断をしていたらよかったのに。判断の遅さはその人を巻き込んだ、というかその人に代償が...」

「ご、ごめんなさい...ほんとに」

「いいんだ。判断が早くなった。それだけさ。」

「...んあ。」

佐、遥溜は寝ていた。そして今佐は起きた。

状況はまず、四十物谷は凮然をかばった様子であり致命傷を負っている。凮然は悠を抱いて悲しんでいる。そして佐の肩に遥溜が寄りかかっている。

「えーとまず、コマンドTH ガッド」

「へ...?」

みるみる悠の体の傷と疲労は消えていき、元の状態に戻った。

「...楽になった。ありがとう佐。」

「体力を休ませとけよ。お前の体力を使ってる。」

「わかってますよ。」

「そして次に...遥溜、起きろ遥溜。」

「...ZZZ。」

「勘弁してくれよ、敵地内だぞ。」


「...ん、んん」

「おせぇ」

呼びかけて10分は寝ていたあろうか。

そのまま置いていこうかとも思った。

正直そんな元気というか、そんな場合ではなかった。

「遥溜さん、これからの味方ができました。」

「ええと、皇 凮然です!」

「...ふぁ?」

「まあいい。行くぞ」

「追手は聞いた話によるといない、というか来ない。だとよ。」


130セントラル中心亜裏地獄

「こいつらが...」

最中心亜裏地獄到着。

「侵入者ってこいつら?なんか弱そうだけど...重游がやられたということはそれだけの実力はあるんじゃないかな?どー思う?マイちゃん。

女性の声

「俺はマイちゃんではない!何度言ったらわかるグレッグ!」

「そう怒るでない。マイオトームよ。」

「まあまあ落ち着いてください皆さん。敵が、目の前にいるんですよ?」

「そうであったな。リア殿。」

「オイオイお前ら~話しすぎだ。というがお前ら、みんなの自己紹介してんな~?

それがねらいだな~特にルイス~?」

「ま、まさかおぬし名前を覚えてもらいたいなどというそのような考えは持っておらぬぞ⁉」

「ま、いいけど~僕はファイルってんだ。」

左から順に、グレッグ、マイオトーム、リア、ルイス、ファイル。

「すみませ~ん。ここの大将はだれですか~」

「って、遥溜さん!」

「五人もいるって聞いてないし、みんな同じ椅子に座っているからわからん」

「こいつらが、大将だ。」

「ご名答~情報は知っている、最後の一人の幹部からの情報だ~」

「お前が佐、その隣の剣士が悠、その隣のかわいい子が遥溜~そして、あれれ~?裏切っちゃったのか~。いい仕事じゃなった?」

「人が死んでゆく様を見送りたくはありませんでした!これにて解雇願います!」

「へ~?死にたいんだ。」

「そうはさせないです。あなたたち5人を片付ければ世界はもっと平和になるはずです。」

「別に最近は戦争をほかの区に仕掛けたりしてないし~?実際 平和でしょ?」

「...」

「まあいいよ、お前らを倒すのは自分なりの目的があるからさ。」

「ほう。それについてはおぬしらを始末してから聞くにそうろう。」

「ま、来いよ。5人まとめて相手してやる。」

「威勢のいいガキ共め!死ぬのはお前らだってんだ!!!!!」

「話していてもしょうがない、いいから来いよ。」

「...馬鹿め」

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