十月 ハロウィンなので宅コスする

  YouTubeの動画撮影のために優一は零子の部屋に来ていた。


「せまいけど、あがってな」


「コーヒーでもいれよか? コーラがええの。ほんま優君はコーラ好きやな。まあ、もう十月も最後やけどまだまだ暑い日があるもんな。優君用にひやしてあるやついれたるわ。うちは紅茶飲もうかな。うちこんな見た目やから、紅茶めっちゃ似合うやろ」


「紅茶めっちゃってなんか韻ふんでもたわ。ほんなら、うち着替えてくるから、ちょっと待っててな。別にのぞいてもええねんよ。よ着替えてこいって、そんなに顔真っ赤にしていわんでもええやん」


 零子は着替え終えて、リビングにやってくる。


「ほら、これ見てみ。めっちゃセクシーやろ」

 零子は体のラインがはっきりとわかる修道女シスターの服を着ていた。なぜか、胸のところがハートの形に大きく開けられていた。


「見てみ、胸の谷間はっきりわかるやろ。偽乳ちゃうで。うちGカップあるからな。さらに寄せてあげたからめっちゃエロいやろ。もう、優君ちゃんとこっち見てや」


「せやで、これ淫魔サキュバス学園の人気キャラでシスターマリアンヌ先生やねん。うちパツキンやからウイッグつけられんでええし、スタイルも近いし、ぴったりやと思えへん」 


「さらにここ見てみ。この太もものつけ根のところや。そんな横目で見らんとちゃんと見てよ。これ見せパンやから大丈夫やって。まあ、優君やったらほんまもんのパンツも見せてもええけどねっ♡♡」


「ほら、ここに英語でwelcomeって書いてあるやろ。ちゃんとゲームのキャラをリスペクトしてんねん。ほんま、マリアンヌ先生は誰にでも優しいからな。頼まれたら嫌やよういわんから、誰とでもエッチなことしてしまうねんな。そこが面白いねん。うち、めっちゃアリアンヌ先生好きやねん」


「せやで、エロゲーのキャラやけど。そんなん関係あらへんやん。ま、まあかなりエロいシーンはあるゲームやけど。で、でも全年齢のソシャゲのゲストになったりしているし、ほら、表現おさえめの深夜アニメになったし」


「せやな、さすがに動画で太もも見せるのはバンされかねんからな。インスタグラムのほうは中身を水着にしとくわ。たしかに優君の言う通りコンプライアンス大事やからな。せやからこれを見せるのは優君だけや。あくまで個人だけで楽しんでな。うち優君のこと信頼してるから」


「ほんならゲームやろか。ちゃんと撮影も頼むで」


「ジャジャーン!! うち手にいれたねん。メガドライブ。ほんで今日やるのがソニック・ザ・ヘッジホッグ。この青い針ネズミのキャラめっちゃかわいいやん」


「ほんじゃ、プレイ開始や!!」

 ゲーム動画の撮影は順調に終わった。


「はあっコスプレしてゲームするのは楽しいわ。ゲームやったらお腹すいたわ。かぼちゃのカレーつくったから一緒に食べよ」


「ちょっと待っててな、ルームウエアに着替えてくるわ」

 着替えおわり、零子はリビングに戻ってくる。

「見てみ、この前優君に選らんでもらったやつやで。うちのお気に入りやねん。スマーフっていう妖精のキャラやろ。この金髪の女の子、なんか共感するねんな。スマーフェットっていうらしいで。ほんでこの左胸のところにおる眼鏡のスマーフ、ブレイニーっていうんやろ、優君によう似てるわ」


「ほらっもっとこっち、よう見てよ。ほらっこの左のおっぱいのところにブレイニーおるやろ。そうそう、もっと顔近づけて見てよ。ほんまによう似てるから……」


 トレーナーの左胸のところにデザインされているスマーフのキャラを顔を近づけて見る優一を、ぎゅっと抱き締める零子であった。

「ひっかかったな。これがうちのいたずらや。エッチないたずらやで♡♡ムギュウー♡♡優君、ハッピーハロウィン♡♡」

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