伝わるものがここにある

この短編は自主企画「シチュエーション物語」参加作品です。

僕が最初に「はっ」とさせられたのは、作品コピー「思いは、一手先さえも読めない」でした。

恋と言うものを改めて考えると、不確かであるという当たり前の事を思い出しました。誰かを好きになる。ただこれだけの事が常に偶発的な事により発生し、大袈裟に言えばそれで人類は存続しているのです。変な話です。

大恋愛であっても、普通の恋の物語であっても、

恋とは偶発的な奇跡なのです。

淡く、優しく、暖かく、誰かを想う。

そしてもう一度「思いは、一手先さえも読めない」。

読後にこの言葉を僕は思い出していました。

日常に重ねて来た行動と言う「一手、一手」。その「一手」が育んだもの。

この物語に流れる何気ない時間の中で、仄かに生まれようとするものが、なんとも言えない余韻を読み手に与えてくれる事かと思います。

お勧め致します( ;∀;)

この切り取られた優しい時間を愛して下さい。

宜しくお願い致します。