速水真央

1.概要

 錫見原南署の刑事で、市内の怪異事件について捜査していた。特に南署は温泉街や工場地域が管轄であっため、鈴実を祀る宗教団体やあきひずさまの事件に関わることが多かった。温泉街での惨殺事件を通して香織達へと興味を向け、同時期に同じく香織らに目を向けていた斎藤文雄と共に接触した。基本的には文雄と同じ形で香織らと関わっていた。しかし、南署の管轄内での惨殺事件が増える程、香織らとは離れた場所での事件捜査が増えていった。なお、牛の声襲撃後、一時的に香織を自宅で保護していた。

 現実世界では警察庁に勤務する所謂キャリア警察官である。交番のお巡りさんや刑事ドラマの刑事に憧れ、多くの努力を重ねて就職したものの、キャリア警察官はそういった現場仕事を殆ど行わないため、状況に不満を感じていた。その不満が身勝手なものであるということも理解した上で、外から見れば自分は優遇された人生を送っているのだから、そういった感情を抱いてはいけないという一種の罪悪感も感じていた。

 

2.パーソナリティ

 根本的には自信家で、自分の優秀さを卑下せず、「自分は優秀であるのだから周りをきちんと管理しなければならない」といった責任感と見下しが混ざり合った精神を持つ。しかしその精神が他人を傷つけるものであるとも理解しており、社会的正義を守りたい自分と自分の本質的なエリート気質の板挟み状態である。そういった自覚している自分の弱さを突きつけられると折れやすい。ストレス耐性は全体的に高く、多少の負荷にはびくともしないが、思考が素早く周りに配慮する性格が災いして、考え過ぎる部分がある。


3.補足情報

 物語初期は、頼り甲斐に欠ける行動する文雄に対して、しっかりとした大人の女性としてデザインしていた。元々警察組織のエリートだったという設定も文雄との対比のため。また、好奇心や感情のままに突っ走るキャラクターが多い本作において、考え過ぎて動けなくなるキャラクターを味方サイドの足枷として置きたかったため、かなり鬱屈した性格になった。

 また、設定初期案では文雄と不倫している設定があったが、作品開始直前、正義感の強さが浮き彫りになり没になった。


4.錫見原市消滅後

 東京都内の自宅で目覚める。目覚めた部屋のテレビには、憧れていた女刑事のドラマが映っていた。ドラマを見ながら眠ってしまったので、自分が刑事として活躍する夢を見たのだろうと考え、そのまま日常に戻る。しかし、現場で活躍する夢を諦めきれず、どうにか現場仕事が出来る方法はないかと奔走する。

 その後は「夢を叶えてくれる三本足のカラス」の噂を聞きつけ、とある神社を参拝。そこで響介らと再会し、彼らの怪異事件の捜査に個人的に付き合うようになる。

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