遠足は友だちと 4

チャールズ

「時間が来たみたいだな。」


レッソン

「くそっ!」


チャールズ

「ティファ様、

我々第三騎士団との訓練の時間です。

こちらにどうぞ。」


「え、え、え、、、えっと、

宜しくお願いします?」


場所を移動して訓練を開始するティファ。


「ティファ様、

剣は技術です。

いかに力が強くとも当たらなければ意味がありません。

わたくしの華麗な剣技をご教授致しましょう。」



・・・言っていることは間違っていない。

ティファの体格を考えればスピードとテクニックを活かしたスタイルが理想だろう。

しかし、このチャールズという男、実戦向きじゃない。

格好をつけ過ぎだ。



ティファがチャールズの指導に従い型の訓練をしている。

初心者ながら頑張っている。


しかし、このチャールズという男、

自慢話とボディタッチが多い。

ティファが対応に困っている。



しばらくすると、

訓練場にまた一団が現れた。

今度は騎士とは装いが違う。

「ティファ様、訓練お疲れさまでした。」


「え~と、、、」


「もうそんな時間か。

ティファ様、またご一緒に訓練致しましょう。」


「では、ティファ様、こちらにどうぞ。」

新たな一団がティファを連れて行く。



・・・何やってんだか。

小刻みにまったく違う方向性の訓練をされたらパニックだろ。

こんなことしてたら、何も身に付かないぞ。

まぁ、魔王としては有難いんだけどね。



新たな一団がティファを連れて行ったのは大きな商店だった。


「ティファ様。

これからの旅に必要な装備を用意致しましょう。

勇者様に相応しい高貴で威厳のある装備がよろしいかと。」


「なるほど、、、」


「こちらで用意しておりますので、一度装備してみてください。」


「わかりました。でも私、お金が無いんですけど。」


「ご心配なく。

国からの支給品になりますので、ティファ様はご心配いりませんよ。」


女性に連れられてティファが奥の部屋に入る。



さすがに着替えシーンは覗かないぞ。

俺はヘンタイじゃないからな。



着替え終えて出てきたティファ。

どこの舞踏会に行くつもりだ?

動きやすいデザインだが、間違ってもダンジョンに入る服装ではない。

しかもアクセサリーもマシマシ。


パッと見た感じ、成金の娘がとりあえずお金をかけました、って印象だな。

完全に国からぼったくってやろうという魂胆が見え見えだ。


こんな勇者だったら、ずっと馬車の中だぞ。

100歩譲って後列の魔法使いとか僧侶ならまだしも、勇者は前衛だからな。

これじゃ剣は振るえないぞ。

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