第5話 ノアの喜び

【おはようございます。昨日はよく眠れましたか?朝食出来ていますよ、良かったらどうぞ】


 二人は大喜び。そう言えばここ数日しっかり食べてない。騎士たちからの食料も怪しからろくに。


【ありがとう、ところでお母さんは?具合悪いんだよね】


そう質問するレイヴァスに、ノアは、


【すみません、寝ています。今日は特に体調悪くて。起きれないほどなんです】


 朝食を食べるドレイクは、レイヴァスにアイコンタクト。


【なぁ、お前のポーション少し分けてあげてさ、気休めかも知れないけど、どうだ?】


【ナイス、ドレイク!忘れていたよ】


ノアが、えっ!という表情で、


【ポーション!持ってるんですか?本当に?】


【ノア、ポーションだよ、たいしたことないけど】


【ここではポーションは買えないんです。とても貴重なアイテムで、一度も見たこと無いって人も…】


【えー、そうなの?そんなことあるの?とりあえず、持ってお母さんに使ってきて。少しは楽にるかもね。あまり期待しないでね】


ノアは、大事に抱えて、


【ありがとうございます。さっそく使っています】


レイヴァスとドレイクは食べながら…


【貧しい場所なんだな。可哀想にだよな、ノア】


【ドレイク、感情深入りするなよ】


【解ってるよ、俺達は旅人だからな】


遠くで、叫び声?大きな声が、ノアだ!


二人は急げノアの元へ、


【見て、お母さんが、お母さんが!】


 ポーションの副作用?俺達には経験無かったが、悪いことしちゃったな。レイヴァスが謝ろうとすると、ノアは大喜びで、抱きついてきて、


【お母さん、立ち上がってる!しかもしっかりとした足取りで、ありがとう。本当にありがとう!】


 ノアが泣きながら喜んでる。ポーションだそ?そんな効果あるのか?よく見てみると、あっ!これ!

ヒーリングポーションだ!


【レイヴァス…お前な、何してんだよ…】


【ドレイク、怒りたい気持ちは解る。ほんとごめん。でも、ノアの笑顔見れて、良かったろ?】


【お前は抱きつかれたもんな】


【そっちを気にするか、それならさ】


【ノア、喜びのところ悪いけど、ドレイクがアドバイスくれたんだ。ドレイクにもお礼を、っていうか抱きついてあげて】


【うん!】


【ありがとう、ドレイク!】


【…まぁ、良かったな。ノア】


【ドレイク、照れるな!ニヤけるな!】


【照れてない!ニヤけてない!黙れレイヴァス!】


ノアのお母さんが、


【ありがとうございました。なんとお礼言ったら…お金、今これしかなくて…後から必ず払います】


【いや、お金は入りません。お金で帰るものでは無いので…あっ、そうでなくて、泊めてもらったお礼です】


【本当にありがとうございます】


ノアが、


【ポーション凄すぎ!なんて効果なの!】


 そりゃーねー、ヒーリングポーションだからね、

普通のポーションと間違えちゃった…



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