結婚

 きちんとしたプロポーズをされてもいない。


ただ、実家にあいさつに来た時に、

「結婚を前提にお付き合いさせて下さい」

と、言われた。

両親に反対もされなかったから、そのままスル~っと、事は進んだ。


普通、いつの段階でプロポーズってするものなのか?

婚約指輪を用意して、とか、100本の真っ赤なバラの花束を差し出して、とか、そう言うことは全くなく、淡々と進んでいった。


プロポーズがなかったのに、ナゼ?って思われそうだけど、6年ぶりに再会したあの海の日、6年前 今度会ったら、結婚しようと約束でもしていたかのようだった。

結婚というゴールに向かう船に、2人で乗り込んだような感じ。

再会してからの1年3ヶ月は、付き合ったと言うよりも、結婚の準備を2人で急いでしていた感じだ。


長男、長女ということもあり、いかにも田舎の、ひと昔前の盛大な結婚式。

親、兄弟、親せき、友だち、会社の上司、同僚、隣り近所、義理のお父さんの同級生とかって謎の人までと、200人近い出席者の大披露宴。


これから2人で愛しあって、いつまでも いつまでも、仲良く、幸せでいようね!と、誓い合った。

幸せな瞬間だった。

この人が わたしの運命の人だったんだな。

そう思った。


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