第26話 みずのせいれい

 ママはいっつもいうんだよ、私にいい子いい子って。だから私もママにいい子いいこー!ってするの。いっつも頑張ってるママに、なんでもしてあげたかった。みずのせいれい?に生まれたら周りを大切にしなきゃいけないってことも知ったから。

 

 ある日ね、紫の髪と緑の瞳をした人がやってきたの。とっても優しくてね、どの精霊にも話しかけてくれたの。


 私にも話しかけてくれたよ。


「私が精霊たちを護るからね」


 そう言ってくれたの。


 私、ティーナ様が憧れになったの!カッコよかった、大好きになった。だから私もたっくさん修行をするって決めたの。


 2年くらい経って、いつも通り森を歩いていたら、突然別の精霊に攫われちゃった。そこは世界樹様のお腹の中だった。


 他にも別の精霊の子供がいて、みんなでおしゃべりしながら過ごしてたの。


 そしたら青髪の子がやってきて…精霊姫様が必死に看病をしてたの。みんなも手伝ったよ、火の精霊は部屋をあっためてくれて、風の精霊は私と一緒にタオルを冷やして、大地の精霊が回復。


 みんなお手伝いができるのが嬉しくて、できる限りのことをしたの。そしたら青髪の人は起き上がって、どこかに走っていっちゃった。


「みんな、ありがとう。魔法使いさんの命が救われたよ。」


 そう聞いて、みんなで喜んだの。


 お家に帰ったら、ママに褒めてもらいたいな!




「で?水の精霊…何故、他の精霊を襲ったの?」


「な、なんのことでしょう?風の精霊の皆さんも、そんな怖い顔しちゃって…」


「火の精霊も、大地の精霊も…全部殺された…」


 私が何も言わなくても勝手に話し合いは進んでいく。楽なので傍観することにして、近くの岩に座った。


 あとで子供たち助けに行かないとな〜。呑気すぎるかな?でも私部外者だしな、森のことに関しては。


 そもそもこれ、水の精霊襲撃せずに帰ればよかったな。今帰っちゃおうかな?最後まで見届ける義務とかなかったよね?


「ふん!だとしても、たかがガキの魔女一人に遠距離攻撃しか脳の無い精霊どもだろうが!やっちまえ!!」


 あれ始まっちゃった…しかも今私をガキの魔女って言いやがったな。いや大体正解なんだけど。


 これでも16歳だからあと2年で成人なんだけどなぁ。


「バリア<<エレキ>>」


 まあバリアでも張って上から見てればいいよねってことで。どっちか負けても基本的に私関係ないし。


 おおかた、水の精霊のクーデターだろうし。年々、冒険者に使役される水の精霊が減ってきたとも聞いた。 


 派手で火力のある火の精霊が人気すぎるんだよね。最近は魔法に芸術点とか求めがちらしいし。国王情報なので間違いないっしょ。


「ティーナ!!!!」

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