第18話 悪夢

 まぁ、こんな髪と目の色に生まれては、いい事も悪いことも、珍しさに比例して緑髪や紫目の人に比べて増えていくわけで。

 もしも、この色のさえ生まれなければ。違ってたはずなのに。今まで色々とあってきたけれど、これだけは…


 どうして、リド…



「ティナ?起きろ。また魘されてたぞ。」

「キリさん…ごめん…寝てた?」

「15分くらいだけどな。ドア開けて寝るのマジで危ないからやめとけ」

 そういって私を撫でる。犬猫のような要領でなでてくる。

「入ってくるのはキリさんだけだよ?…あっ、入れるのはキリさんっていった方が正しいのかな」

 キリさん以外の魔力を感知してトラップが発動する仕組みだからなかなか入ってこれないもんなんだよね。ちなみに火炙りにする。

「…ならいいけどよ。ほら、いくぞ」

 少し高さのあるベッドから飛び降りて、キリさんに着いていく。あ、もちろん不在の時は施錠してるよ。

 夕飯を食べるために食堂にきた。受け取って食べていると、生徒の話声が聞こえてくる。今は一般生徒…Bクラス主席以上の生徒以外も入って良い時間なので、逆にAクラスの人たちはいない。

 前はうるさいと感じていた食堂も、こう聞いてれば楽しい。

「ちゃんと寝れてないんでしょ?大丈夫?」

「最近悪夢見がちでさ…」

 会話の内容は全然楽しくないじゃん。悪夢、かぁ…そういえば最近私もよく見るんだよね。って言っても昔の夢ばかりなんだけど。お化けがいるみたいなファンシーな夢がいいよね、見るならさ。…あ、お化けはこっちでは動物園にいるようなものか。

 前の世界ではお化けは怖がられてたのに。あっちにいるはずないんだけど…

「よ、ティーナ。」

「あ、コリンだ。何話ぶり?」

「…?よくわかんねぇけど久しぶりだな、何してたんだ?」

 何してたんだって言われてもね…お化けしばいてたとかいえたもんじゃなくない?そもそもこの話ってして良いのかな?

「……友達に再会してた」

「お前友達とかいたのか?」

「失礼すぎて泣いちゃいそう」

「嘘つけ」

 嘘は言ってないさ、ホタルに会えたわけだし。まあ泣くのは嘘だけど。傷ついてないし。コリンこそ友達いなさそう、悪ノリがカスすぎる。

「任務に行ってたんだよ。」

「あ〜。そういや俺も明日からだわ」

「なんの任務?」

 でもコイツに任せる任務とか雑魚そう。確かに魔法は汎用性高い水魔法使ってた気がするけど、攻撃魔法としてはあんまり使えない方だったはず。

「あー、精霊の森で異変が起きてるから探れって言われた」

「うわつまんなそ」

「お前…」

 私それより悪夢について調べたいな、なんか効く香りとかないかな。アロマ的な。それか寝具とか。

「ティナ、伝令。コリンと共に任務だとよ」

「…キリさん、話聞いてたでしょ絶対」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る