第3話

「へ〜村上さんって言うんだ〜」


「そだよ〜 私は君の名前をしっかりと覚えたんだから、塩宮君もしっかりと覚えてね?」


ギャル美人、村上さんは明るくウィンクしながらそう言ってきた….


「名前を教えあった所で早速塩宮君に聞きたい事があるんだけど〜いいかな?」


「あぁ…別に良いよ」


「塩宮君…何であんなにため息してたの?」


村上さんに、そう聞かれた瞬間僕の心がまた痛くなってくる……


そうだ… 僕はまだ失恋中なんだ… 幼馴染の泉の事が好きだったけど、振られたんだ……


「人間誰しもため息くらい付くと思うけど、僕のはそんなに凄かった?」


「うん 結構凄かったよ〜 見てるこっちまで、暗くさせるっていうか…」


そうらしい… 僕のため息で人にまで、影響を与えさせるとは、情けなくなってくる…


「そうか…それは申し訳ない事してしまったな…」


「ううん 別に良いんだよ ため息くらい付きたい時もあるよね〜 ただ君のはちょっと他の人のより凄かったから、心配になっちゃったんだよね〜」


初対面な僕に、ここまで気をつかってくれるなんて… 村上さんは良い人なんだな…


「ねねっ 私で良かったら、悩み聞こうか? 悩みって他の人に話すだけでも心が軽くなるらしいよ〜」


村上さんは何でこんなに優しいんだろ?


「村上さんは…何で今日初めてあった僕にそこまでしてくれるんだよ?」


「え? そりゃ〜」


僕の質問に村上さんはキョトンとするが、言葉を続ける……


「そりゃ〜困っている人を放っておけないから……? かな?」


「そうか……」


やはり、村上さんは良い人だ…


「そうか…….いや……実は…」


そんな彼女だからこそ、僕も悩みを話せた…


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「そうだったんだ…失恋中だったんだね…」


僕は村上さんに悩みを話した……. 彼女の言う通り、悩みを人に話すだけでも心がスッキリした感じになる……


「ありがとう 悩みを最後まで聞いてくれて」


「良いよ良いよ それは気にしないで こちらこそ悩みを話してくれてありがとね?」


村上さんは、優しい笑顔を僕に向けてくれる……


「ねぇ…良かったら塩宮君…私と友達にならない?」


「え? 僕と?」


「うん 何だか私……君の事、もっと知りたくなっちゃったかも」


「失恋の事話しただけなのに?」


「あはは〜 そうだよ 塩宮君の失恋のお話聞いて、もっと君の事知りたくなったんだよ〜」


村上さんは何だか不思議だ… 初対面の僕に僕の悩みを聞いてくれて、更には友達になりたいと言ってくれるのだから……


普通なら初対面の人にはここまでしないと思う…


でも…そんな彼女だからこそ僕も村上さんと友達になりたいと思った……


「村上さん、こちらこそ友達として、これからよろしく」


「やった〜!! 塩宮君と友達なれた〜!!」


こうして、村上さんと僕は、友達になった……

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