第1話 宙の忘れ物

父のお土産がたくさん入った紙袋を持って真智や四葉の待つ公園に向かう。


大気

姉の宙がお土産の袋と別の袋を間違えたことを知る。

大気は家から公園に向かう前の宙から、

友達にお土産を渡すために公園に行くことを聞いていた。

大気は自転車のカゴにお土産の入った大きな紙袋を入れると、自転車で公園に向かった。


大気

公園の前の路上で自転車を止める。

姉の宙に向かってお土産の入った紙袋を掴み見せるとともに、持ってきたことを大きな声で伝えた。

「姉ちゃん、お土産持ってきたよ!」


大気

あ、お土産の入った紙袋を片手で持ち上げた弾みで、バランスを崩し、大気は自転車ごとコケた。

お土産はコケた弾みで辺りに散らばった。

イテテテテ。

大丈夫か?と心配し公園の奥から大気のいり路上に慌ててかけ寄ろうとする。


大気

ごめん、姉ちゃん。

ボクは大丈夫だから。

大気は前屈みの姿勢で辺りに散らばったお土産を集め始めた。

ゴゴゴゴー!

大気

何の音かな?

大気は背後から聞こえる凄い低い音が気になり、ゆっくり後ろを向いた。

大気

あれ?

自分自身の鼓動の音以外、外界の音が一切聴こえない。

大気の鼓動は不気味な程大きく、そして早くなっていた。

大気には突然、自分の方に全速力でかけ寄りながら大声で何かを叫ぶ姉 宙の姿がスローモーションに見えた。

 次の瞬間、

大気の鼓動が止まり、

バン!

びちゃ!

と言う音が聞こえた。

固くて重い物が被さってくる鈍い音と、

辺りに大量の嘔吐物が飛び散るような不快な音だ。

その直後、

また自分自身の鼓動すらも聴こえない静寂の中で、大気の身体はスローモーションになりながら大きく宙を舞った。













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